豊前市の多文化共生への取組
豊前市では、令和2年11月に「豊前市多文化共生の推進に係る指針」を制定しました。
この指針は、豊前市民の皆さんと様々な国や地域から来ている外国人住民が、お互いの文化を理解し、ともに生活する仲間として支えあう地域社会を実現するために、制定されました。SDG’sの基本理念である「誰ひとり取り残さない」のキーワードのもと、豊前市が行う施策においても分野を問わず、本指針に配慮した取組を推進します。
多文化共生とは?
総務省による「多文化共生の推進に関する研究会報告書」(平成18年(2006年))では、国籍等の異なる人々が、互いを認め会い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きていくことと定義されています。
なぜ、多文化共生の推進が必要なの?
令和2年9月末現在で344人の外国籍の方が豊前市で生活しており、豊前市全体の人口に対し約1.4パーセントが外国人住民となっています。これは北九州市とほぼ同じ割合となっており、豊前市でも外国人住民が増えていることが分かる数値となっています。一方で、少子高齢化が進み日本人住民は減少の一途をたどっています。そこで、外国人住民も同じ地域に住む仲間として、ともに支えあうことが必要となってきています。
何をすればいいの?
地域の皆様には、外国人住民がそれぞれ違う文化や生活習慣のもとに生活してきたことをご理解いただいた上で、温かく見守っていただくようにお願いいたします。同じ地域で生活していくためには、お互い歩み寄りが必要です。そのためには、どのようなことが違うのか、どのようなことで困っているのか、どのようなことを変えてほしいのか、コミュニケーションを取りお互いのことを知っていくことが大切です。外国人住民とコミュニケーションを取るときには、「やさしい日本語」を意識してみてください。
やさしい日本語とは?
豊前市で多文化共生への取組でキーワードになる「やさしい日本語」について紹介します。
「やさしい日本語」の「やさしい」には、2つの意味が込められています。
①やさしい=易しい 相手にとって分かりやすい日本語であることを指します。=相手のレベルに合わせたボールを投げましょう。
②やさしい=優しい 相手を思いやって使う日本語であることを指します。 =相手が取りやすいところにボールを投げましょう。
コミュニケーションは言葉のキャッチボールです。相手の日本語のレベルが、ボールを初めて触る人なのか、高校球児なのか、プロ野球選手なのかで、相手に投げるボールは変わるはずです。
日本語を母語とする皆さんは、日本語のプロです。相手に合わせた「やさしい日本語」を使ってみませんか?
外国人と話すのになぜ日本語なの?
「外国人と話す」=「英語を話す」と思っている方がとても多いのですが、豊前市に住む外国人の多くは、東南アジア諸国出身で英語が母語ではありません。様々な国や地域からやってくる外国人の母語は様々です。豊前市に住む外国人に対して広く伝わる言語は、英語でもそれぞれの母語でもなく、実は「日本語」なのです。
日本語で話しかけても伝わらない?!
「近くに住んでいる外国人に日本語で話しかけても伝わらなかった」という声を聞くことがあります。いつも話している日本語と同じように話しませんでしたか?外国人の日本語のレベルは様々です。目の前にいる相手の日本語レベルに合わせて、「やさしい日本語」を使って再度話しかけてみると、伝えることができるかもしれません。
「やさしい日本語」のコツを紹介します!
「やさしい日本語」を使う時に意識することは、「は・さ・み」の法則です。
はさみの法則 → は:はっきり言う! さ:さいごまで言う! み:みじかく言う!
このような言い方をしていることはありませんか?
・たぶん明日は行けないと思います。←あいまいな表現ではっきりしていない。
・雨が降るから明日は…。←最後がないので、「行く」「行かない」の結論が分かりにくい。
・明日は8時から仕事に行って、仕事が終わって、それから会うとしたら厳しいな。←長い文章になり、言いたいことが分かりづらい。
これらの文章をは・さ・みの法則を意識して、「やさしい日本語」に言い換えます。
「あしたは いくことが できません。」
皆さんが普段使う日本語と違う印象をもたれましたか?「やさしい日本語」で大切なことは、相手を思いやる気持ちと少しのコツです。このコツは様々ありますが、簡単で効果的なのが「は・さ・み」の法則です。
「やさしい日本語」に決まった正解はありません。ひとりひとりの優しい気持ちで、相手にとって易しい日本語を心掛け、誰もが住みやすい豊前の第一歩を一緒に踏み出してみませんか?
やさしい日本語をもっと見てみたいという方は、こちらをご覧ください。
NEWS WEB EASY(NHKのやさしい日本語ニュース)
地域おこし協力隊 レー・ティ・ニャット・リンさんからのお知らせ
豊前市多文化共生コーディネーターとして、外国人住民と日本人住民の架け橋になるべく活動しています。
リンさんは、様々な交流会の企画・運営も行っており、Buzen Information Channelで情報発信しています。ぜひ、ご覧ください。
地域おこし協力隊リンの活動実績はこちら。
過去の交流会などのイベントはこちら。
日本語ひろば豊前・ふれんど豊前
豊前市が主催する「日本語学習支援ボランティア養成講座」を修了した市民の皆様で立ち上げた、「日本語ひろば豊前」と「ふれんど豊前」というボランティア団体があります。「やさしい日本語」を使い、豊前市に住む外国人住民を支援しています。詳しくは、豊前市ボランティアセンター(豊前市社会福祉協議会内)をご覧ください。