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  後藤 元秀 市長

 

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市長の部屋 平成27年3月 

「ハワイ訪問と曜日蒼龍」

 豊前市政施行60周年の記念事業に、ジョージ・アリヨシ元ハワイ州知事を招聘するため、代表団長として5日から9日まで3泊5日の日程でホノルルとハワイ島・ヒロ地区を訪ねました。磯永市議会議長、山崎副議長、秋吉商工会議所会頭、宮房副会頭、上田教育委員長も一緒でした。

 初日はホノルル空港からヒロ空港へ。着後、ヒロ地区を統括する郡庁にビリー・ケノイ郡長とハワイ島日系人商工会議所幹部を相次いで表敬訪問。夕べには県人会のみなさんと懇親の時間を過ごしました。6日は今後の中学生などのショートステイ事業などにつながる教育交流先候補のセント・ジョセフ学校を視察。午後にはホノルルに戻り、アリヨシ元知事を事務所に表敬訪問。この席で5月に予定している60周年記念事業の記念講演を文書で公式要請。アリヨシ元知事から「喜んでお話ししたい。楽しみにしています」と快諾していただきました。

ハワイ

 この一連の行程をアドバイスいただいた在ホノルル総領事館の重枝総領事の計らいでこの夜は総領事館で盛大な交流会。アリヨシ元知事を囲み、県人会の方々などゆかりのみなさんと有意義な時間をもてました。感謝です。

 ところで、ハワイにはアリヨシ元知事など多くの移民のみなさんがおられるようです。市役所ではこうした移住家族をお持ちの市民のみなさんに、そうした方々を教えたいただき、メールなどで市の情報をお伝えできたらと考えています。日本語がほとんどの情報となりますが、連絡先を教えていただければ、リストを作成いたします。ご協力ください。

 今回の訪問に際し、ハワイと豊前の関係を調べてみました。あまり期待はしていませんでしたが、思わぬところで豊前とハワイの歴史秘話がでてきました。国立国会図書館に保存されていた豊後高田出身の僧侶の布哇紀行(はわいきこう・日記)です。僧侶は昨年、生誕2百周年のお祝いをした小今井潤治翁が創立した乗桂教校で浄土真宗を学んだとみられる曜日蒼龍(かがひそうりゅう)という人です。

 蒼龍はハワイが米国領になる前のハワイ王国時代。明治元年から渡った日系人が、サトウキビ畑などで働き、一部は南の島の熱帯雨林で道なき、畑なき大地を斧一本で切り拓いていること。この多くが福岡、広島、山口県の出身で浄土真宗の信者が大半であったことなどをハワイからの帰国者などに伝え聞きました。使命感にかられて明治22年、未開の地同然のマウイ島、ハワイ島を探訪。葬送の儀なく果てた方々の前で供養。その日の暮らしがやっとの人たちのために説教、布教活動につとめました。

 この働きがきっかけとなり、現在では蒼龍が日系移民に呼びかけて建立したホノルル市とヒロ地区の浄土真宗をはじめとした寺院は36寺も存在しています。そして、この大事業をやり遂げた蒼龍の活動を物心両面で支援し続けたのが小今井翁とされています。豊前とハワイをつなぐ新たな歴史を知ることができました。

 

市長の部屋 平成27年2月 

「行方不明事案から学ぶ」

 年明け間もない4日午後、市内に住む高齢の女性が自宅を出たまま行方不明になるという事案が発生しました。市内南部の一角にある自宅から、寒さが少し緩んだ昼下がり、普段着のままサンダル履きで出かけられたそうです。いなくなったのに気付かれたご主人が後を追いかけましたが、探し出せませんでした。携帯電話を持たれていたので、連絡はつくはずでした。

 ところが、女性は帰宅せず、家族は、近くの人たちの力を借りながら探しましたが見つかりません。市役所に相談し、警察に出向き、消防団、地域のみなさんの応援を得て探しましたが見つからず、冬の陽はだんだん陰るばかり。

 市役所から防災無線で市内に「事案の発生と捜索の協力」を呼び掛けたのは午後4時 分。正月休みの虚を突かれてしまいました。市と消防本部で捜索本部を立ち上げたのが午後5時 分。ほぼ同時に、警察、消防はもちろん、地元の区長会の先導で住民のみなさん、市消防団など総動員体制で市内南部、中央部の田畑、ため池回り、水路、個人宅の庭先などをくまなく探しましたが発見できていません。元気におられることを祈るばかりです。

 振り返りますと、初日は深夜まで警察犬を導入、翌5日は県警ヘリによる上空からの捜索。6日の冷たい雨空のもとも濡れながらの必死の捜索は続けられ、72時間という生存可能性の高い7日まで、多くのみなさんが尽力くださいました。この間、ため池の水を抜く決断もしていただきました。市長として感謝申し上げます。有難うございました。

 高齢化が進展する中、この種の事案は、これからも発生することが予想されます。どのようにしたら、再発をへらせるか。もし起きたら、初期対応の見直すところは何なのか。「休日の市役所の危機管理の在り方」「現在の防災無線に代わる周知手法」「警察犬の出動要請時期」「行方不明者が携帯電話などに機能されているGPS(人工衛星からの電波で直径約30mまで位置確認できるシステム)の所持」など多くの課題が見えてきました。今後、さらにみなさんの知恵を借りながら「市民の生命、財産を守る」使命をはたすべく努めてまいる所存です。

 行方不明の方を探す市と消防の対策本部は広域圏消防本部に設置しています。これまでの捜索活動、ため池の水抜きなどの成果は 日時点で出ていません。

 何か情報がありましたら市か消防本部までお寄せください。

 

市長の部屋 平成27年1月 

新年のご挨拶  ~謹んで新年のお慶びを申し上げます~

 明けましておめでとうございます。豊前市民の皆様、ふるさと豊前に帰省されている皆様には、新年をお健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。

 今年は豊前市が市制60周年という記念すべき年。築上郡の九町村が合併して市制が施行されて、人間でいえば還暦の大きな節目となります。この間、多くの先人の皆様が守り育てていただいた豊前の里を、さらに良くしていくために市長として頑張っていく覚悟です。「遊・食・自然の里」という市の目指すべき方向に立ち返って、市議会や市民の皆様とともに協働で市政執行に努めてまいります。

 まず、60周年の記念行事として春に記念式典を計画しており、これまで市政発展にご尽力いただいた方々に感謝の意を表したいと考えています。最大の記念行事に、お父上が豊前市出身で、白人以外で初めて米国の州知事に就任されたジョージ・アリヨシ元ハワイ州知事を豊前市にお迎えして記念講演をしていただく予定です。

 今年、90歳となられるアリヨシ元州知事ですが、極めてご健康で日本語も流暢。「ぜひ、豊前市の子供たちに話しかけたい」とのご希望も頂いています。「おかげさまで」という自分史を日米両国語で出版されており、どんな講話となるのか楽しみです。

 さて、市政のなかでは医療、介護、福祉の分野できめ細かい行政サービスが求められています。市長就任以来掲げてまいりました「生涯現役社会づくり」は、新年度から健康長寿に近づくための施策として「口腔ケア」を国の補助事業に乗せてスタートさせる予定です。在宅の高齢者を対象とする事業ですが、ここから市民全体に広がるように努めます。歯をつよく、口の中を清潔に保つことで食道や胃腸、気管や肺を病原菌から守り、さらに血液を汚さないことで疾病予防、健康増進につなげるねらいです。そのために情報の整理、発信の司令塔を市役所に置きたいと考えています。

 次に、中学生までの医療費支援が新年度から始まります。安心して子育てできる環境整備にさらに努めていく所存です。併せて病気を早期発見、早期治療するために健康マイレージ事業に力を入れてガン検診、歯科検診などの受診率向上を目指します。高齢者のみなさんに自宅にこもらず、地域社会で交歓、交流してもらえるようにこれまでの事業に加え、「歌唱健康法」などを取り入れ充実していければと考えています。

 そしていよいよ、高速自動車道の時代を迎えます。東九州自動車道は昨年末、北九州方面への窓口となる椎田南インターチェンジが供用開始となり、平成26年度末を目標に大分・別府方面へ豊前インターチェンジが動き出します。北九州市が30分間余、福岡都市圏が1時間余の圏内に、さらに別府までが40分間余、宮崎までが3時間半余の交流圏となります。豊前市にとって、この広域交流時代をどのように迎え撃つのか。大きなテーマです。

 そのためには今まで足をのばせていただけなかった地域のみなさんに、魅力ある地域となる。これにはまず、豊前海の幸を見て、味わっていただき、豊前の海を学んでもらう「六次産業化・水産振興施設」の建設が必要で、新年度内の完成を目指します。

 さらに、八屋漁港先の海で実証しています石炭灰を固めたハイビーズによる海の環境浄化事業では、撒いたアサリの稚貝が順調に生育しています。新しい技術で海の環境を浄化し、生産力を高めていくことが実証できれば、豊前の海が変わります。漁場環境がよくなる、ハイビーズ事業の可能性をさらに追求していきます。

 一方、山では豊前市南部を中心に展開するグリーンツーリズム・民泊と森林セラピー基地の取組を進めます。特に森林セラピーは都市環境での受けるストレスを癒してくれることが科学的に実証されています。民泊での農山村住民との交流。セラピーガイドのみなさんが語る森の環境、食、歴史と、ウォーキングを楽しみながら、心身ともに健康になる豊前を前面に押し出します。市内全域が認定されたことを活かして、コンクリートなどの舗装をしていない道路を走るトレイルランニングなどのコースも考えていきたいと思います。

 漸減する人口対策に注力します。「増やす」という目標に加え「これ以上減らさない維持」「来訪客など交流人口の増」。そしてメールアドレスなどで結ばれる「在外市民」を増やす努力をいたします。

 これまで空き家バンク事業で取り組んできました空き家対策を充実させます。UJIターンの住民だけでなく、海外からのお客さまを含め長期に安価で滞在できるロングステイな「住民」を呼び込むためにも空き家を活かしたいと思っています。

 環境面ではゴミを減少し、資源に変える資源循環型社会を目指します。「もったいない」というハートを多くの市民が日常に共有し、持続可能な地域を次世代に繋ぎたいものです。

 教育面では、国の教育改革のなかで小中学校の一貫教育が新たな制度として認められる時代です。小規模な小中学校を複数抱える豊前市として、文武両面で個性ある教育ができる学校づくりを教育委員会改革に合わせて取り組んでいきます。

 豊前市は発足当時の人口(約3万8千人)からみれば1万人以上減少しましたが、様々な人口増対策を実施しながらまた、本年をハワイ州との交流元年と位置づけて活力あるまちづくりに挑んでいきたいと思います。

ことしは、穏やかでありながら芯の強い羊の年。豊前市も羊にあやかり、しっかりとした足取りでこの一年を進んでいきますので、市民のみな様のご理解、ご協力をお願い申し上げます。

 

市長の部屋 平成26年12月

 まち、ひと、しごと、の分野にそれぞれ連動した施策を、地方のもつ独自の歴史や風土、人材を資源として活かしながら、働く場、活躍の場を見い出し、つくりあげる。そうすることによって人口が集中する都市から地方へ人口移動を促す、国が掲げる地方創生。

 つまり、地方が自ら知恵を絞って各種の目標を定め、人口増(最低限、現状維持を含む)という目的を達成するのです。市役所が躍起になって取り組むだけではできない大きなテーマです。議会や市民のみなさんとともに力と知恵を合わせて進まなければなりません。

 豊前市はこの地方創生を実践していかねばならない地方のひとつです。市民の数が減った原因はまず、産まれる子供たちが少なく、育った若い人たちが市外に出ていくこと。結婚適齢期と言われる年代の男女が独身、非婚でいること。その結果、少子高齢化という言葉に象徴される人口減少地域となっています。

 一方で、高齢化は上昇傾向です。これは何も卑下することではなく、世界トップの長寿社会実現と、喜び誇るべきことです。健康寿命をのばし、元気に地域で行動できる「生涯現役社会づくり」が重要です。市政の大きな目標です。

 少子化、人口減に歯止めをかける施策は、これまでも取り組んできました。未婚の男女に出会いの場を提供、背中をひと押しするお世話人制度創設などの婚活事業。産まれた子供を育てやすくする出産祝い金、医療費支援(12月議会に中学生までの無料化を議案提出予定)などやっています。

 加えて、人口減少のもととなった市外移住。出て行かれた方、豊前市に縁のある方などに市の情報を定期的にお送りして、市の応援団になっていただく「在外市民課制度」を創設しました。来年の年賀状に、申し込みが簡単にできるQRコードを印刷した5千枚を市役所で販売。みなさんの親戚知人に送っていただき在外市民登録していただければ、期待しています。

 もちろん、市外にいても「市民のように市の一員並みに市を支えよう」と志していただくには、市の魅力をもっともっと増やさなければなりません。神楽、祇園などの伝統文化、生態系の乱れが生じない環境づくり、治安や防災など。人口増という目的のために、このような目標設定が大切です。

 みなさんの周りに目標を見つけ、みんなで目標達成を実現する地方創生にチャレンジです。

 

市長の部屋 平成26年11月

 江戸時代に作られた求菩提山絵図にある茶園と製茶の場であったとされる茶屋跡を訪ねました。「茶木探し」を目的にした確認調査は今回が初めてではないかと思われます。

 この日、求菩提山に登ってまず、確認できたのは明治まで栽培されていた山伏の坊(住家)に植えられた茶園です。昭和期まで山伏の末裔の方々が栽培していた小さな茶園ですが、近年は放棄され樹木は細く、伸び放題。さらに周りの樹木が生長して光を遮り、荒れ果てた状態です。

 さらに山中に入り、大きく育った杉の林間にあるはずの茶園跡ですが、当時の茶園は、図によると一本立てで、茶園は茶木の林だったようです。

 しかし、その面影はすでになく、うっそうとした林となっていました。その木と木の間に茶葉にみえる葉をつけた木をところどころに見つけることができました。もしかしたらの「発見」です。

 貴重な茶木の可能性もありますが、日当たりのない斜面で、その姿はとても茶木ではなく、やせ細ったひょろひょろの、貧疎に見える木。しかも葉をシカに食いちぎられ枯れかかったものも。すぐにでもシカの食害防止措置を講じ、さらに文化庁などの支援を仰ぎ、生息分布と本数などを本格的に調査しなければなりません。

 ちょうど11月1日は豊前市の森林セラピー基地のグランドオープン。山の癒しの力に日本原種の可能性のある茶木からとれたお茶が加わることになるとセラピー基地の魅力倍増です。大切に守っていかねばなりません。盗掘などできないように備えなければなりません。

 

● お詫びと訂正 ●

 先月号で、「JA京築はこの秋に豊前市など管内で収穫される夢つくしの一等価格を1俵(60キログラム)11,400円台という買い取りの目安価格を公表しました。」という掲載をしました。

この掲載記事について、JA福岡京築、福岡県農政連豊前支部から「JAが示した価格はあくまで『概算金』(内金)であり、JAに販売委託されたお米が全て販売終了した段階で最終精算を行う仕組みになっており、農家に『精算金』(追加払い)があります。今回の『11,400円台という買い取りの目安価格』という表現は適切ではないので訂正を行ってほしい」との指摘と申し入れを受けました。

 また、「昨年度の米が120万トン(全国7月)ほど余っており」とある部分について「余っているのではなく、民間在庫(7月、8月でこれから消費分が減少します)として流通している」という指摘です。

 説明不足のため、関係する皆さんに多大なご迷惑をおかけしましたことを謹んでお詫びし、上記のように訂正させていただきます。

 

市長の部屋 平成26年10月

 米価が暴落。JA京築はこの秋に豊前市など管内で収穫される夢つくしの一等米の価格を1俵(60キログラム)11400円台という買い取りの目安価格を公表しました。昨年が13482円でしたから2000円ほども安くなっています。

 全国的に見ても、日本で最も高価なブランド米である新潟県魚沼産のコシヒカリが昨年よりやはり2500円下げて14200円止まり。他の産地も軒並み下落しています。この傾向は来年以降も続くと予測されます。

 これは、昨年産の米が120万トン(全国7月)ほど余っており、この行き先が決まってないのが大きな要因とみられています。米余りに加えて、止まらない少子高齢化の中、お米離れが加速しているからかもしれません。

 このままでは、ますます農業経営が厳しくなります。この夏の長雨、豪雨、冷夏などで分かるように、あてにならない天候に生長、収穫が左右される農業です。さらに、農業資材、機材の経費は高騰し、高値で居座ったままです。流した汗と、絞った知恵の分、喜びや楽しみがある農業でなければ、豊前市のような土地利用型という米、麦、大豆など主体の農業、農村は維持していけません。

 では、このまま手をこまねいていいのか。豊前市として、国や県に「何とかしてほしい」と叫び続けているだけでいいのか。悩ましい限りです。第二次安部改造内閣に「地方創生大臣」が誕生しようと、自ら前に向かって道を切り拓こうとする気力のない自助、共助の意欲のない自治体は生き残っていけないでしょう。

 いま、豊前市が加入している豊前広域環境施設組合は、し尿処理の施設をこれまで通りの高度な科学処理とするのか。それとも築上町や大木町で成功しているし尿を発酵させてつくる液体肥料。この安全性と衛生面、効能と効力を農林水産大臣が認めた液肥を農地に還元する方策を選ぶのか、岐路に立っています。(築上町では液肥の要望が多く、製造施設を倍増する計画ですし、大木町では施設に接した道の駅のレストランが、液肥利用の美味な野菜などをつかった料理で大賑わいです。不思議なくらい完璧に屋外で臭いもないのが驚きです。)

 農業用資材が高騰したまま、農業経営を圧迫している農業現場の実態。この状態が続けば、農家の後継者、担い手不足に追い討ちをかけかねません。農業、農村の危機です。経費の中で大きなウェイトを占める化学肥料代がほぼ削減でき、有機質の液肥で栄養バランスのとれた、おいしい、安全な農産物がとれる循環型農業にすれば、多くの問題が解決できる可能性があります。

 学校給食で子供たちに「地域に根差した食育」と「ごみを資源にする循環型社会」の大切さを学んでもらうべきです。地域の後継者となる子供たちに持続可能な循環型社会をバトンタッチしなければなりません。農業関係者だけでなく、多くの市民の皆様にまず、築上町、大木町の成功例を見てもらう機会をつくり、理解の輪を広げたいと考えています。

 

市長の部屋 平成26年9月  

 総領事館というのをご存知でしょうか。海外にあって大使館に次ぐ外交の拠点といえば分りやすいかもしれません。現在、米国にはワシントンDCに大使館があり、ニューヨーク、ボストンなど14市に総領事館が、ポートランドなど3市に領事事務所が設置されています。

 総領事館のひとつ在ホノルル総領事館の重枝豊英総領事が今月6,7日に豊前市を訪問されました。目的はハワイと地方都市との国際交流促進と元ハワイ州知事ジョージ・アリヨシ家の墓参でした。

 在ホノルル総領事といえば、毎年のように天皇陛下のハワイ訪問を直接お世話されるほか、国内外からハワイに来られる要人を迎え入れる日本政府の代表です。昨年は一年簡に述べ160回余の歓迎の席を受け持たれたとのこと。土曜日、日曜日を除けば5日のうち3日間、お客様対応されている超多忙な方です。

 その重枝総領事がこの夏休みに、戦前や戦後の海外移住推進時代にハワイに移住した人が多かった中国、九州地域の自治体訪問を計画。そのひとつに豊前市を選んでいただいたのです。

 6日の夜に卜仙の郷に宿泊。“特産”となっているシカ肉、豊前海のハモ料理などでおもてなし。温泉にゆっくりつかっていただき、翌朝は重枝総領事の日課である早朝ランニング。「この山道は修験の郷らしい魅力的なコース。景観も癒されますし、素晴らしい」と喜んでいただきました。

 7日は、市役所での会見で、「豊前市は神楽などの伝統文化、おいしい食材がたくさんあり、ぜひハワイのみなさんに紹介したい」との前向きな発言。このあと、アリヨシ元州知事のお父さんの出身地沓川地区にある有吉家の墓地に行かれました。

 豊前市長としてこの春、ハワイを訪問したとき、総領事館でアリヨシ元州知事夫妻との初めての出会いは鮮明に覚えています。「88歳でこんなにお元気とは」と、強い印象を受け、「豊前市のみなさん、ハワイで待っています。いらっしゃい。」とのアリヨシ元州知事の声も耳底に残っています。

 この出会いの機会をつくっていただいたお一人が重枝総領事。豊前市訪問の目的である今後のハワイとの交流事業では子供たち相互往来が大切です。私案ですが、英語教育に結び付いた交流ができれば、と考えています。もちろん、豊前市から特産品の売り込みも進めなければなりません。重枝総領事には6日の夜、道の駅おこしかけの協力で豊前市の特産品を紹介しています。いくつでもハワイにつなげたいものです。

 国際交流で地域おこし、というのはある程度条件が整わなければ困難です。豊前市には幸にもハワイ―アリヨシ元州知事―重枝総領事というパイプができました。このパイプを大きく、太く育てていきたいものです。


◎ 市政懇談会報告 ◎

7月8日から19日にわたり、市内5か所で市政懇談会を開催し、延べ371名の市民の方が参加されました。

この市政懇談会は、豊前市を取り巻く厳しい行財政状況やこれからのまちづくりについて市長より市民の皆様へ直接ご説明し、ご理解をいただくとともに、地域の皆様と直接対話を行い、その意見を市政に反映させることを目的に開催しました。

懇談会では、後藤市長から豊前市の防災に対する取り組みや生涯現役社会・循環型社会づくり、そして子供たちの教育についての取組みなど、今までの実績や今後の方針の説明が行われました。

その後の意見交換会では、高校跡地の活用や市民会館の建設、市職員の接遇教育、空き家問題、人口減少や高齢化対策などについての様々な意見をいただきました。

皆様からいただいた意見は十分に精査を行い、今後の市政に役立てていきたいと考えています。

 

市長の部屋 平成26年8月

 豊前市・能徳工業団地の突先にある豊前市外二町清掃施設組合が運営する処理施設では豊前市と吉富、上毛両町から排出されるゴミをリサイクル、リユースできるものと焼却すべきものとに分けて処分しています。ここのリサイクルセンターでは多くのみなさんが手作業で汗を流してゴミを資源に変えていただいています。

 ビン、スチール缶、アルミ缶、ペットボトル、新聞、雑誌、プラスチック類など資源に回せるのは家庭から出てくる前に市民の皆様が13分類という細かな分別作業に取り組んでいただいているから。皆様に感謝しています。

 ただ、燃やせるものの中に、もう少し考えなければならないものが目につくようになりました。ひとつは住宅地周辺に生えている草や庭木の剪定枝です。草では河川、道路沿いから切り払われる大量の業者持ち込みも別にあります。

こうした草や剪定枝は以前、燃やせていましたが、数年前のダイオキシン問題以来、勝手に燃やせなくなりました。このため、初夏から秋までは草類で焼却炉が満杯になり、焼却不能状態になることもあります。こんな草や剪定枝は各自でたい肥にして土に還元する仕組みを考えなければなりません。

 もうひとつは、家庭などから出される生ごみも、焼却していますが水分が平均50%で、油をかけなければ焼けません。ゴミ処理に貴重な石油という地下資源を使っています。焼却は使い捨てであり、灰の処分というやっかいな課題も残ります。生ごみを焼却せずに発酵処理して肥料に変えている自治体もあります。「ゴミを資源に」です。

 この組合に隣接した場所に、もう一つ豊前広域環境施設組合が運営する施設があり、豊前市と築上(築城地区)、みやこ両町のし尿を処理しています。高度な科学処理施設を駆使してし尿を飲めるほどのきれいな水と異物に分離。水は海に放流、異物は一部を乾燥肥料にしています。高額の維持費がかかっています。

 このし尿を隣の築上町の旧椎田地区では20年前から、発酵させて悪臭をとり、大腸菌やハエの卵などは55度前後の発酵熱で死滅させて衛生上問題のない液肥にかえて農地にもどしています。化学肥料の価格が高止まりしているなか、農家のみなさんが喜んでいると聞いています。処理費用は田畑に散布するサービスを含んでも組合施設より格安です。

 豊前市もこうした先進地を見習い、ゴミ、し尿を資源に変えていく努力をもっとしなければ、と考えています。いまの時代に我われが資源を食いつぶすのではなく、リサイクルやリユースして子供や孫の時代に資源をつなげる循環型の持続可能な社会を築いていかねばならないと思っています。

 

市長の部屋 平成26年7月

「消滅可能性都市」からの脱却を

 日本創生会議という団体が2040年に消えていく危険性のある全国の896市町村を「消滅可能性都市」と名付けて発表しました。20歳から39歳までの若い女性が市町村から減少、流出する現状傾向が続けば、四半世紀後に自治体がなくなってしまう、ということです。

 20~39女性の減少、流出の率が50%を超えたところが消滅可能性の分岐点。豊前市の可能性は今のところ45.8%。896市町村にはかろうじて入っていませんが、非常に危険な状況です。何とかしなければという危機感をみなさんで共有しなければならないときです。

 国も人口の自然減の時代に入り、子育て支援などの施策に力を入れていますが、人口維持さえ難しい状態です。国の政策だけでなく、地方の立場でどのように取り組むべきか、考えて行動に移さなければなりません。

 少子化対策の大きな柱である子育て支援。働くお母さんたちを支える保育所の受け入れ態勢が整っていないため、大都市で待機児童の問題がいまだ収束していません。保育所の整備、保育士などの増強が進められています。「大変だ」という声も聞こえてきますが、豊前市など少子高齢化の最先端地域からみれば、「うらやましい限り」です。

 豊前市では子育て若い夫婦への支援はもちろん大事ですが、子供を産んでくれるカップルの誕生も大きな課題です。婚活事業です。子供を産み、育ててくれる夫婦、家庭の増加策です。今回ホタルの季節に夕食会とホタルスポットに行く「婚活、ホタル観賞ツアー」を実施しました。カップル誕生に期待しています。

 結婚、子づくりは個人の問題だから、周辺でとやかく言うべきではない、という風潮の中で「仲人」という言葉さえ死後になりつつあります。あえて行政がおせっかいを焼く、焼かざるを得ない状態になっていると認識しています。

 こうした事業は、行政だけでなく、商工会議所、市区長会や市老人クラブ連合会など、地域のみなさんの力をお借りして取り組まねば、と考えています。近いうちに仲人役の「お世話人さん」の組織も立ち上げます。若い世代の定住、子どもは地域の宝です。力を期してください。

 「消滅可能性」都市とその周辺都市での「消滅」は消滅可能性都市だけの問題ではなくなります。消滅都市が増え、消えてしまえば、若い世代を大都市に送り出してきた地方の力がなくなり、いずれ人口再生産力の劣る大都市も消滅の道を歩むことになるからです。日本の存亡につながります。まず、みんなの力でふるさと豊前を消滅の危機から守りましょう。

(子育ては苦労、苦難のほうが多いと思いますが、「苦あれば楽あり」「苦難は幸福の門」でもあります。市では、市民のみなさんが、「子育てから学んでよかったこと」、「子育てで知った喜び、感動」の物語を募集します。ぜひ、ご体験をお寄せください。

豊前市役所 総合政策課 企画広報係 seisaku@city.buzen.lg.jp

 

市長の部屋 6月

 今年度の機構改革・人事異動にともない5月の連休期間中、市役所の1階と3階で大きな机移動が行われました。40年ぶりといわれる大改造。ほとんどの職員が作業着姿で汗をかきながら机やいすを運び、溜りにたまったゴミを搬出しました。

 3階にあった教育委員会が1階に。市民の皆さまが転入、転出などの手続きの時に1階の市民健康課で届出をした後、3階に学校関係手続き、と大変でしたが、これから1階フロアで片付きます。市議会からの要請でもありました「ワンストップサービス化」が実現しました。

 もうひとつ、市役所外にありました包括介護支援センターが1階の福祉課前に。市民健康課と3組織がやはり同じ1階にそろい、これは私の掲げる「生涯現役社会づくり」のなかで求められる高齢者支援関係の利便性と機動性が高まることにつながります。

 この「生涯現役社会づくり」には大きく2つの目標があります。高齢になっても自宅に引きこもらずに外に出て活動する。地域の皆さんとのふれあいの時間を持ってもらうことと、外出ができる健康保持、増進を進めるということです。

 外出するのは面倒だ、と家でテレビの子守をしているうちに1日が終わる、なんてことはありませんか。こんなことを繰り返していては精神的にも、肉体的にも健康にはなりません。屋外に出て、自然に抱かれ、他の人と語り合い、活動を共にする。こころを躍らせる時間をもつ。その舞台づくりも大きな行政課題です。市がやっている「いきいきサロン」「ころばん塾」「健康サポート塾」などなど。「カラオケ」「コーラス」などの活動もおすすめです。

 もうひとつの健康の保持、増進。このほど、みなさんのお手元に届けられたと思いますが、ガン検診など各種の検診が大切です。早期発見、早期治療が、健康維持のために大事なキーワードとなっています。市では、このようながん検診、特定健診、歯科検診などを多く受診された方に「ご褒美」(最高1万円程度の健康グッズなど)をさしあげる新事業として「ぶぜんいきいき健康マイレージ事業」を始めました。多くの市民の皆さんに参加していただきますようお願いいたします。

 さらに、力を入れていこうと考えていますのが、歯やのどの健康増進につながる口腔ケア事業です。その最先端で活躍されている九州歯科大学の安細(あんざい)敏弘教授がこのほど豊前築上歯科医師会の筒井修一会長とともに市長室にこられ、これから豊前市を舞台に新事業を展開する計画を打ち合わせました。
 (最初の機構改革で埋もれていた資料の中から、大変なものが発見されました。豊前が生んだ一般社団法人「倫理研究所」の創始者丸山敏雄氏の履歴書です。旧八屋小学校教諭から広島大学に進むときに残したと推測されます。お宝です。)

 

市長の部屋 平成26年5月

 米国・ハワイ州のホノルル市で4月9,10日、かつて州知事をされたジョージ・良一・アリヨシ氏にお会いしました。アリヨシ元知事は、お父さんが豊前市出身。福岡県、豊前市に対する思いが強く「わがルーツは豊前」と明言されます。

 アリヨシ元知事は昭和49年(1974年)から昭和61年まで3期12年間在任。福岡県とハワイ州との間で友好提携(姉妹都市)調印しています。この間、福岡県を公式訪問、豊前市にも先祖のお墓参りなどで来訪。平成24年にも県主催の国際交流大会に出席されています。

 アリヨシ元知事とは、在ホノルル日本総領事館で9日に開かれた東日本大震災の被災地である宮城県・女川町の女川特産のサンマを食べるパーティーに同席。180センチ超の長身で背筋が伸び、88歳のご高齢とはとても思えぬ弁舌で200人を超す出席者をまえに「復興支援をこれからも」と挨拶。その姿に大きな拍手と尊敬のまなざしが向けられました。

 翌10日は、ホノルルの中心街にある個人事務所で対談。アリヨシ元知事は「お父さんが若いころ『やはたやま』の四股名で相撲を取っていた」のちに「海外航路の船員となり、寄港したハワイに住みつき、結婚」。中学2年生のときお父さんに「人を助ける弁護士になる」と話した。お父さんから「人の恩を忘れず、責任と義理を大切に」「丸裸になっても応援する」と。戦争に行ったときには「恥ずかしくない行動を」と。

 州知事に立候補するときに「白人、米本土の人以外ではじめて、ハワイ生まれの君がその最初の人となれ、と薦められた」。なってからは「累積赤字を、人減らしせずに黒字化」「政策面では州の全体のことを考えて、一時的には嫌われても勇気をもって決断した」。

 天皇陛下との面会でお母さんが、天皇陛下から握手を求められても下を向いたままで「もったいない」と語ったこと。豊前市訪問時に「実家近くで道に集まったひとたちにミカン箱の上にのって挨拶」した思い出など約1時間半語ってくれました。最後に「豊前市の子供たちの英語教育、物産振興に力を貸してください」とのお願いに「お手伝いしましょう」。

 アリヨシ元知事は、これまでの体験を昨年、東京で講演。同様の手記を「おかげさまで」という題名の本にまとめて出版されています。
 10日には、在ハワイの日系人19万人余が聞いているKZOOラジオ放送に、重枝豊英総領事と出演。豊前市のPRを30分間してきました。

 

市長の部屋 平成26年4月

 平成26年度が幕開けしました。昨年4月20日に、みな様のお蔭で第5代豊前市長を拝命し、ちょうど1年。議会人から執行部に転向して戸惑うことが多く、周囲のみな様にご心配をかけてまいりましたが、なんとか今日まで走り続けることができ、感謝しています。

 これから市長としてどんな豊前市になるべくカジ取りしていくのか。磯永優二議長をはじめとする市議会のみなさんの叱咤激励を受けながら、後小路一雄副市長、戸田章教育長ら執行部の皆さんと力を合わせながら市政運営に取り組んでまいります。 

 これからの豊前づくり構想、実施事業などについて、広報豊前に新たにこの「市長の部屋」を設けて市民のみな様に「市長の言葉」でお伝えします。ご期待に応えるべく頑張りますのでお支えくださいますようお願いします。

 今回は、去る3月市議会で承認いただきました主な新規事業を紹介いたします。とくに、就任以来、訴えてまいりました「生涯現役社会づくり」について、簡単に説明します。

 人口2万7千人余で65歳以上の人口比率が30%を超した豊前市。高齢化は誇るべきなのに、世間では「先行き暗い」印象です。じつは裏にある少子化が問題なのです。もちろん、病気で長生きではなく健康長寿でなくてはなりません。生涯現役でいるために健康の保持増進は不可欠です。

 そこで市として新規事業の中に、ガン検診、特定健診など早期発見、早期治療につながる検診を受けた皆さんにご褒美がもらえる「健康マイレージ事業」や認知症予防につながる「脳力いきいき事業」などを追加。これまでの「かむかむ教室」「生き活きエアロ塾」「ころばん塾」などとともにみな様の健康増進に尽くしていきます。さらに地元歯科医師会と協力して「口腔ケア事業」にも取り組んでいく予定です。これらの実施状況を分りやすくお伝えする生涯現役パンフレットを作成。できれば、生涯現役の模範とする生き方をしておられる市民の方を紹介する広報紙発行も検討していきます。これからをお楽しみにしてください。


 

 

 

 

 

 

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