豊前市の岩戸神楽(黒土神楽講)
(くろつちかぐら)


■起源 不詳
■内容 豊前の神楽を語るとき、石清水八幡神社で代々宮司を務めた矢幡家を抜きにその歴史を語ることは出来ません。矢幡家にはかつて詳しい記録が存在していましたが、惜しくも紛失しました。しかし江戸時代中期、長谷川家に伝えられた資料で、当時の演目、謂儀(神楽の時言う言葉)など詳細を知ることが出来ます。それによれば、当時神楽は矢幡家、初山家、長谷川家、清原家、高橋家を中心とした社家のみで奉納されており、謂儀などは当時と多くの共通点が見られます。さて、石清水八幡神社の縁起によれば神楽の起源は貞観三年(八六一)とされていますが、これは八幡神が京都の石清水に勧請された時期で、一般に八幡神を祀る神社に多い貞観勧請説と言われるものです。その矢幡家から氏子に神楽が伝授されたのは明治の中ごろとされ、成恒神楽にも同時に伝承されたと言います。明治二三年の神楽組の組長は平井恒蔵で当時は成恒の人が多かったと言います。その後城戸啓次郎、大石英蔵といった人たちにより、黒土神楽は全盛期を迎えます。戦時中は一時中断したようですが、戦後、西畑和馬らにより復興し、昭和四〇年代以降は青年団による伝承も行なわれました。現在は行なわれない演目もあり、御遷宮神楽、やもめ神楽、宝満神楽、引入柴神楽、八乙女神楽、姫神楽、山人神楽など豊前神楽の起源を知る上で興味深いものがあります。
■交通 車 豊前市内へは、東九州道「苅田北九州IC」から国道10号線で50分 大分道「日田IC」から国道210号線で70分
■文献
【奉納日程】
豊前市神楽奉納日程
〒828-8501
豊前市大字吉木955番地
豊前市教育委員会
Tel.0979-82-1111