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平成17年度施政方針

平成17年度の予算が定例議会で成立しました。 釜井市長は、本年度の予算説明を通じ、市政運営の基本的な方針並びにその主要施策などについての所信の一端を述べ、市民の皆さんの市政に対する深いご理解とご協力をお願いしました。その趣旨は次のとおりです。

 


 

 本日ここに、平成17年第3回豊前市議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位には公私ご多用のところご臨席を賜り、誠にありがとうございます。厚くお礼申し上げます。本議会は、平成17年度の市政運営の基本となる当初予算をはじめ、多くの重要案件についてご審議をお願いするものでありますが、議案の説明に先立ちまして、今後の行政課題等市政に関する私の所信の一端を申し述べ、議員並びに市民の皆様方のご理解と一層のご協力を賜りたいと存じます。

 私は、市長就任以来、常にふるさと豊前市の発展を念頭に置きながら、「清潔・公平・公正」を市政推進の基本方針として掲げ、市民福祉の向上と産業の振興に努力を続けてまいりました。おかげさまで、今年4月、市民の皆様のご理解とご協力をいただき、引き続き市政を預かることになりましたが、改めてその責任の重大さを痛感しております。8年前、市長としてはじめて市議会壇上に立ったとき、議員の皆様、市民の皆様に「豊前市の良き伝統という松明を先代から受け継ぎ、次の世代へ渡すために懸命の努力を重ねていく」ことをお約束しました。以来、8年、「十分にお約束を果たしているか」、常に自らに問いかけてまいりました。次の世代への責任を果たすために今後も誠心誠意、市長の職務を遂行し、市民の皆様と手を携え、豊前市の明日のためにがんばってまいりたいと考えております。

さて、我が国の経済は「回復基調」にあるといわれておりますが、個人所得の伸び悩みや、高い水準で推移する失業率、さらには原油価格の高騰などを背景として、景気の先行き不透明感はぬぐいきれない状況にあります。

こうした中、政府は、「改革なくして成長なし」、「民間にできることは民間に」、「地方にできることは地方に」との方針のもと、個人や企業の挑戦する意欲と地方の自主性を引き出すため、各分野にわたる構造改革を引き続きスピード感を持って推進するものとしております。

国と地方の三位一体改革では、その全体像において平成18年度までの改革の工程が示され、平成17年度では、1兆1,159億円が税源移譲されることとなりました。このことは、地方の自主性・自立性に向けた地方分権の流れが、基本的な方向性を示す段階から、具体的な実行段階へと進み始めたものと認識をするところであります。

しかしながら、本市においても、この三位一体改革により、昨年度の公立保育所運営費負担金などの一般財源化に続き、主に民生費や教育費でその影響が出ており、今後ともその動向を注視していかなければならないと考えております。

本市を取り巻く環境はここ数年、大きく変わりました。自動車産業の集中立地がその象徴です。本市にも多くの企業が立地しつつあります。言ってみれば国内に僅かに残された「発展」という言葉があてはまる地域です。地勢的にも豊前市がそのネットワークの中心に位置していくことは疑いがありません。将来、交通と情報を含んだ複合的なネットワークの中心として、豊前市が位置付けられていくと思われます。その未来に向け、社会基盤の整備と充実をさらに進めること、そして「清潔、公平、公正」な市政運営をさらに徹底することが、なお一層必要となってくるものと考えております。暮らしを大切にした市民本位の街づくりを進めているという事実が豊前市への信頼感を増し、投資を呼んでいくものと思慮いたします。清潔であること、公平であること、公正であること、それらが豊前市のスタンダードであると市内外の広範な人々の共通認識となるよう、今後も努力を重ねてまいる所存であります。

総務省の地方分権推進計画では地方自治のこれからは「自己決定」と「自己責任」の時代であるとしております。画一ではなく、地方の多様性の時代であるともしています。その時代に必須なのは市政への信頼感です。

そのため、地方分権時代にふさわしい執行体制の整備に努めながら、職員の政策形成能力の向上と説明責任の強化で着実に今後も道を歩んで行きたいと思います。

また、財政規律のより一層の厳格化など必要な措置をとり、決して現状にとどまらない市政、新時代に対応できるよう民間活力の導入や行政の透明性の確保に努め、市民・企業・行政が一体となった市政運営を目指してまいります。

喫緊の課題である市町村合併については、本市と地域の将来を考え、これからも実現へ向けての合意形成を目指して努力を重ねてまいります。「豊築は一つ」を目指して、議会の皆さんのコンセンサスをとっていきます。合併新法に則った合併、福岡県と相談をしながら吉富町との協議を進めていきたいと思っております。

次に、本年度の主要な施策について申し上げます。

はじめに福祉の充実についてであります。

まず、障害者福祉につきましては、障害を持つ人が地域や施設で安心して生活し、積極的に社会参加できるように支援費制度の充実を図ってまいります。

高齢者福祉につきましては、引き続き介護支援センターと連携し、家に閉じこもりがちな要援護高齢者やその家族等に対する総合福祉サービスの利用促進を図ってまいります。また、老人福祉センターの充実と利用を促進しながら、高齢者の健康と福祉の増進を図ってまいります。さらに、本年度におきましては、5年が経過した豊前市高齢者保健福祉計画の見直しのため、実態調査等を実施してまいります。ねんりんピック事業につきましては、本年11月に全国健康福祉祭福岡大会が開催され、本市が将棋交流大会の開催地となることから、成功に向けて万全の準備を進めてまいります。

児童福祉につきましては、少子化対策が重要な課題でありますが、子どもや子育て家庭を皆で支援する社会をつくることが求められております。このため、中心的児童福祉施設としての保育園を活用した乳児保育や延長保育等の特別保育事業の充実に取り組んでまいります。また、私立保育園ではリスクの大きい「病後時保育」を引き続き公立ちづか保育園で実施するとともに保護者の育児不安等に対処するため、子育て支援センター事業を継続してまいります。さらに、放課後児童クラブは、事業の充実と新たな開設に取り組んでまいります。

なお、今後は、3月に策定されました「豊前市次世代育成支援対策行動計画」に基づき、これまで展開してきた子育て支援事業の継続性を保ち、各分野における取り組みを総合的かつ一体的に推進してまいります。

次に、環境保全についてであります。

ごみの減量とリサイクルの推進につきましては、市民一人ひとりの環境意識を育てながら引き続き環境への負荷の少ない循環型社会の構築に向け取り組んでまいります。今年度は、新たに、菓子箱、包装紙などの資源分別収集に取り組み、燃えるゴミの減量化を推進してまいります。また、ごみの出し方や分別の仕方について広報紙や説明会などで、資源分別収集の普及啓発にも努めてまいります。さらに、リサイクル活動の拠点、環境情報の発信地として、リサイクルプラザの建設を今年度から関係自治体と協力して進めてまいります。

次に、産業の振興についてであります。

まず、農業振興につきましては、昨年3月に策定した「豊前市農村振興基本計画」に基づき、安全・安心な農産物の生産、環境にやさしい農業、観光との連携による農村振興など総合的な取り組みを展開してまいります。また、生産基盤整備として、ほ場整備事業を引き続き実施するとともに農業の近代化や合理化を図るための機械利用組合、安定した農業経営を目指した高収益型農業を推進してまいります。

林業振興につきましては、適切な森林管理のため、林道、作業道の開設など生産基盤の整備を促進するとともに関係市町村と協力して森林環境保全整備事業に取り組み林業の省力化及び高率化に努めてまいります。また、森林の多面的機能を維持することを目的とした森林整備地域活動支援交付金制度を引き続き活用してまいります。

水産振興につきましては、魚介類の継続的放流による「つくり育てる漁業」を推進して行くとともに、漁業関係団体への助成を行い水産物や水産加工品の消費拡大とブランド化を進め、経営の安定につながる漁業振興策に取り組んでまいります。

商業振興につきましては,東ハまちなか交流センター等の整備が進み、また、民間の再開発の動きが見られるなど活性化の動きが見えてまいりました。引き続きTMO構想の推進を支援し、地元関係者や商工会議所等関係機関との建設的な協議を進めてまいります。

企業誘致につきましては、平成13年度から今日までに7社を誘致することができました。今後、さらに積極的に企業誘致に努め、雇用の拡大、地域の活力の回復、人口増に努力してまいります。このため、東部工業団地の拡張などを検討するとともに、空き工場への誘致も進めてまいります。

次に、都市基盤整備であります。

まず、道路整備についてでありますが、東九州自動車道は小倉~苅田間が2006年の新北九州空港開港に合わせて開通の見込みであります。遅れております京築地区の早期着工を引き続き県及び関係団体と連携し、国に強く要望してまいります。また、市道関連事業では、「上町・沓川池線」や「八屋・求菩提線」、「四郎丸・野田線」などの幹線道路の整備を着実に進め、効率的な道路ネットワークの構築を目指してまいります。

本市のまちづくりにとっての最重要施策と位置付け,鋭意取り組んでまいりました赤熊南土地区画整理事業につきましては、順調に進捗しており、引き続き、地権者との合意形成を図りながら、良好な住宅地の創出を図ってまいります。また、薬師寺地区で進めております宅地分譲は18年度の販売開始を目指し、事業に取り組んでまいります。

上町団地建替えについては、PFI方式による可能性調査を実施してまいりましたが、事業費削減効果が小さいことから従来方式による建替えとし、新年度は設計費など関係予算を措置いたしたところです。一方、赤熊南区画整理内で予定されている公営住宅につきましては、引き続きPFI等民間活力導入による建替えを検討してまいります。

公共下水道事業につきましては、供用区域の拡張を計画に基づき進めるほか、浄化センターの機械濃縮施設の増強を図ってまいります。また、農業集落排水施設事業と併せて加入促進に積極的に取り組みながら、その健全化に努めてまいります。

次に、教育・文化について申し上げます。

県立高校の再編により統合された青豊高校の校舎が本年4月に完成し、移転が実現しました。地域の将来を担う人材を輩出する高校として、さらに、地域の教育の拠点として育成、支援をしてまいります。また、築上中部、築上北高校跡地の有効利用につましては、跡地利用審議会にて取りまとめてまいりますので、議員の皆さんの熱意ある議論を是非一緒にお願いしたいところであります。

次に、学校教育につきましては、教育研究の成果を各校に広める研究指定校制度を拡充するとともに、理科講座や英語弁論大会の実施など、児童・生徒の学力向上に向けた取り組みを支援してまいります。また、いじめや不登校の問題に対応するため、小学校へ子どもと親の相談員の配置や中学校へのスクールカウンセラーの派遣事業を引き続き行ってまいります。教育施設の整備につきましては、児童の増加が続く三毛門小学校の教室増築事業を実施するとともに、普通教室の空調設備を中学校に続き小学校へ設置してまいります。

社会教育につきましては、公民館の整備として、山田公民館の改築関係予算を措置致したところであります。また、多様化する文化・芸術活動の醸成を引き続き積極的に推進するとともに、求菩提山の史跡整備を計画により進めてまいります。

社会体育につきましては、各種施設の活用を図り、スポーツイベント、スポーツ合宿誘致等も通じて、市民の健康増進と体力・競技力の向上、青少年健全育成等に努めてまいります。また、総合型地域スポーツクラブの活動を引き続き支援してまいりますとともに、施設整備として豊前球場のフェンス改修費を措置致したところです。

行財政改革について触れます。

椎田町、築城町との合併につきましては、椎田町の住民投票の結果を受け、3月11日合併協議会が解散となりました。私としては、合併に向け全力で取り組んでまいりましたので、非常に残念でありますが、今回の結果を真摯に受け止め、当面市単独にても自立しうる行政運営に取り組んでまいります。このため、4月1日に行革合併係を総務課内に設置し、行・財政改革推進を組織的に位置付けるとともに、今後は、既成概念に捉われることなく新しい発想のもとで、行財政改革のより一層の推進を図ってまいります。

最後になりましたが、市制施行50周年を迎えるに当たり、未来に向け飛躍するステップとするため、記念式典を初め、年間を通じ、市民総参加による多彩な記念行事を展開してまいります。

以上、市政運営に関する私の所信並びに主要施策の概要について申し上げましたが、3期目の重責を担った今、厳しい財政状況ではありますが、行財政改革を進めながら、住民に最も身近な行政主体として、環境や福祉、教育など幅広い分野にわたって市民の負託に応えていかなければと決意を新たにしているところであります。議員並びに市民の皆さまにおかれましては、市政発展により一層のご支援とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

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