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市長の部屋

 

後藤元秀市長

後藤元秀 市長

 

 

 

市長行事

 

交際費

 

ご意見

 

 

 市長の部屋 平成29年12月

「積み上げて、積み上げて100万円にも」

 早や師走、向寒の季節となりました。暑かった夏が豪雨をもたらし、短い秋が行きました。が、先月、晩秋の候には各地でイベントが花盛り。さわやかな空気に包まれて、多くの感動がうまれたのではないでしょうか。

 そんな中、ぬくもり溢れる「ちいさな秋」に出会うことができました。市内のマスダホームリビングで開かれた第18回豊前エコ祭りです。元会社員の長井賢治さんが代表をつとめるボランティア団体の豊前エコクラブが主催する祭りです。

 祭りのほか、長井賢治さんが編集長をしながら毎月一回、20年近く、豊前市だけでなく苅田町から中津市までの行政情報、企業の広報誌、商店街のチラシなどを冊子にまとめて各所に配布する活動も続けています。

このほか、長井さんたちは、ペットボトルのキャップや古切手、牛乳パック、書き損じはがきなどを回収する環境保全活動を継続。年に一回、福祉関係団体だけでなく最寄りのエアロビクス、神楽などとジョイントしたコンサート、エコ祭りを展開。併せて福祉団体のみなさんがバザーを開催するなど全員参加、手づくりで盛り上げ、小さいけれど、気持ちがこもった素敵な空間をつくっています。

自分達が安心して暮らせる地域づくりに積極的に参画し、自分達でできるところは、自分達がやるという福祉団体のみなさんの姿勢に頭が下がります。

 もう、18回を数えたエコ祭りですが、ことしはピアノとバイオリンの演奏があり、50席ほどの客席と一体となった素晴らしい時間が通り過ぎました。コンサートでは障がいをもった方の大声が突然、響くこともありました。だけど、バイオリニストは「曲の中で、タイミング良い合いの手もあり、良かった」と、笑顔で語り、拍手を浴びていました。

コンサートの始まる前に長井さんが、こう話してくれました。「18回になりました。みなさんが協力してくれたおかげです。チャリティコンサートには、あと2年もすると寄金累積100万円ほどになります。参加してくれたみなさんの気持ちが積もり積もって―。続けていくことが大切です」。

 これを聞いて、感動しました。本来、行政がやらなければならない障がい者支援を、きめ細かく取り組んでいただき、感謝の思いでいっぱいになりました。

 2期目の市政に「改革」を前面に出したのも、このような分野に使えるお金を産みだすには、無駄を省かなければ、と考えたからです。長井さんではありませんが、改革で少額でも積み上げていくしかない、のです。決意を新たにした次第です。来秋は19回目。次の20回記念も楽しみです。

 市長の部屋 平成29年11月

    「憂きことの なほこの上に 積もれかし 限りある身の 力ためさん」

 文化の秋、スポーツの秋、食欲の秋などなど様々な秋さかりの季節を迎えています。福岡県内28市の市長で構成する県市長会が10月に、続いて九州118市長が集まる市長会も、大分県佐伯市で開催されました。住民の生命、財産をはじめ生活を支える基礎自治体である市町村ですが、同じ悩み、問題を抱えています。たとえば、人口増の都市部では保育園や幼稚園が不足。一方、地方の大半では待機児童問題より人口減が止まらずに多方面で課題が山積しています。

 老朽化した市の施設の更新など施設整備事業等に対する財政措置は「行政関係」。地域医療保健の充実強化、学校教育の充実などは「社会文教関係」。道路や港湾等の整備促進、農林水産業の振興などは「経済関係」として要請文を審議、決定します。

 福岡県の市長会では豊前市に監事役が与えられており、理事会に出席して「多くの法令が戦後間もなくつくられ、改正が行われているが、今日の豪雨をみるときに国の設計指針が想定した雨量を大幅に超えている。豪雨対策で市道脇につくられる、補助対象の規格側溝(幅と深さ各30センチが基本)では対応できてなく、住民の不安に応えられていない。国の設計指針の抜本的改正が必要」と、発言しました。

 このように行政上の問題を都道府県や国に、各市でばらばらに要請するのではなく県や九州ブロックなどの組織として要望していく。連帯して働きかけていくことが肝要です。国県に頼るばかりでなく、災害が発生すれば直ぐに支えあうシステムも持っており、復旧のための職員派遣なども行っています。豊前市から東日本大震災の東松島市に職員1人を5年前から送っています。10月末から朝倉市にも1人派遣しています。限られた職員数ですが、困ったときにはお互い様の精神で頑張っています。

 九州市長会には、全国市長会を代表して松浦正人会長が出席されました。持論の「国を大木に例えると、根を張っているのが基礎自治体。日本国のために自治体が力を蓄えなければならない。」と、檄を飛ばしていただきました。松浦会長は山口県防府市の市長さんです。豊前から海を隔てた目の前に偉大な市長がいます。東京23の特別区を含む全国814の市区長を束ねる憂国の士です。座右の銘は「憂きことの なほこの上に 積もれかし 限りある身の 力ためさん」です。「進んで困難にぶつかれ、という意味」と言われています。

 豊前市も「憂きこと」がたくさんあります。消防職員の使い込みだけでなく、市職員による事件も起こしてしまいました。市民のみなさまに申し訳ない限りです。心からお詫び申し上げ、職員一丸となり、綱紀粛正と再発防止、信頼回復に努めます。与えられた憂きこと、試練を受け、力の限りを尽くし「試練にぶつかって」まいります。

 

 市長の部屋 平成29年10月

  「熱い、暑い夏が、豊前に多くの熱を」

まだまだ残暑にさいなまれる日々が続いていますが、体温に近い猛暑の夏が去り、朝晩の冷気、秋風が心地よい季節にもなりました。元気にお過ごしでしょうか。残暑お見舞い申し上げます。

ことしも甲子園球場だけでなく、暑かった日々に負けない「熱い夏」が市内でも多くの場面で繰り広げられました。青豊高校ダンス部は、お盆のときに東京で開かれた全国高校ダンスドリル選手権大会に3部門が出場。POM・スモール編成(ポンポンを手に10人以内で構成)が優勝。同校初の全国制覇、来年米国で開催される世界大会の出場権までも獲得しました。選手たちの熱い演技に拍手です。厳しい練習を積んで、日本一となったのはどんなダンスなのか。知りたい方も多いのではないでしょうか。10月29日開催予定の「カラス天狗祭り」のステージイベントにこのダンス部が出演していただけるようになりました。ぜひお越しください。

このほか、相次ぐ台風の襲来に見舞われながらも求菩提キャンプ場や畑の冷泉には涼を求め、冷水に魅かれた多くの方が押し寄せ、熱い夏でした。7,8月の2か月間に求菩提キャンプ場を約2千800人が、畑冷泉を約2千500人が利用。いずれも台風が直撃しなかった昨年より減少したものの善戦しています。

こんな中で、ちょっとしたいい話もあります。求菩提のキャンプ場の河川プールに子どもを連れて市バスで行った方が、見受けた光景。ほぼ満席のバスに乗り込んできたおばあちゃんを見つけた女子中学生が、さっと席を立ち、譲ったのです。おばあちゃんが「ありがとう」と口にしたのをきっかけに車内に会話がはじまったとのこと。「ほのぼのとした空気が漂いました」と。

また元気の出る場面を見ました。畑冷泉にある「冷泉茶屋」は、地元野菜、山野草を中心にした美味しい料理が「うり」ですが、この夏も市内外から多くのファンが押し掛けました。行橋からの女性客は「健康にいい料理が魅力。豊前の素敵な名所ですよ」と。

海の方でも、熱による環境変化からでしょうか、この夏は海で獲れる通称青ガニが多かったように感じました。うみてらす豊前では、連日たくさんの青ガニ(和名タイワンガザミ)が水槽に入っていました。まさに夏が旬で、豊前本ガニであるワタリガニより1回り細く、小さく見えるのですが、身はびっしり詰まっています。美味しさを一般に知られていないためもあって安い価格で売られていました。

 ところが、9月になって新聞各紙に「夏が旬の青ガニ」「格安価格で豊前本ガニ並みの美味しさ」と紹介されて大評判。水揚げされるやその場で買い取られていく人気でした。青い「夏ガニ」が新豊前名物になる日は近いかも―こんな熱い、暑い夏がいき、虫たちの声響く秋。この季も豊前が熱く輝きますように。

 

市長の部屋 平成29年9月

  「1%増で人口減は食い止められる」

 市民のみなさんと意見交換して市政に反映することを目的に、市政懇談会を開催してまいりました。多くの方々に参加いただきましたことを、この場を借りてお礼申し上げます。

 2期目となった今年度は前期の5ブロックから11の公民館と市役所という12か所での開催でしたが、お蔭でたくさんの意見をお聞きすることができました。ご質問に丁寧にお答えしたつもりでしたが満足いただけたか、気がかりなところもあります。さらに勉強して、期待に応えられるように努力いたします。

 そんな中で、いくつかの会場で「人口減少対策」に関して質問をいただきました。これまでも、議会でご指摘を頂いてきたところですが、残念ながら現実は結果を出せていません。

 従来、人口を増やすためには「若者が働く場所として企業を誘致するのが第一歩」との認識がありました。そう信じていたのは私だけではないと思います。工業団地を造成し、自動車産業、医薬品など製造業の立地を見たところです。昨年度、豊前市は約5ヘクタールの工業用地を売却。各企業は従業員を採用していますが、どこも人手不足の状況です。

 「働く場所をつくれば、人口が増える」どころか、「働く場所はあるのに」人口減少に歯止めがかかりません。「製造業だけでは、若者を引きとめられない」「サービス業、第3次産業の会社をもっと」などの声も聞こえます。そこで市は、遊休資産となっていた職業訓練センターの空スペースを利用した企業誘致に乗り出し、実績をあげました。

 こうした取り組みに加え、結婚から出産、子育てにつながる婚活事業や新婚家庭の家賃補助と、幼稚園、保育園の第3子からの保育料無料化、中学校3年生までの医療費の負担軽減など子育て支援にも力を注いでいます。しかし、こうした努力が報われていません。

 人口減少には豊前市で生まれる人と亡くなっていく人の差。年間200人弱が生まれて、400人ほどが逝去されます。この差約200が自然減です。加えて進学や就職で出入りする社会増減も実は減少傾向です。この結果、毎年250~300人ほどが減っています。

 これをどのように食い止めるか。いろいろ画策しますが、妙案は浮かびません。が、国土交通省が「国土のグランドデザイン」資料として発表した「地域人口1%取り戻し理論」が「もしかして」との期待を抱かせてくれるのでは、と感じています。

 いくつかの市政懇談会で、紹介したのですが、人口の1%を毎年増やせば、人口減少は食い止められる、という理論です。豊前市の人口約2万6千の1%は260人。これは大きな数字ですが、これを131ある市の行政区で分けると1区あたり2人です。

 区の顔ぶれを思い浮かべながら、親戚縁者を動員して具体的に市に移転、移動してもらう。この数なら何となくできそうではありませんか。「人口減対策は市の仕事」ではなくて「身近な人集め」です。「東京にいるあの家族を」「福岡のあの子を」取り込もうということです。

 これは行政だけではなく、地域の力が大きく求められるのですが、理解ある市民のお力を貸していただき、市は、住むところや医療、教育に不安なきよう受け皿づくりなど努力します。ぜひ、協働のまちづくりにご参画ください。

 

 

 

市長の部屋 平成29年7月

「口腔ケアに効果が見えてきました」

 「12か所で市政懇談会開催 ご参加を」

 突然襲ってきた落雷によって、求菩提山のふもとの集落が被災しました。5月12日のことでしたが、直撃された築130年の民家が全焼。誘導雷で集落の上水道施設や卜仙の郷のエレベーターの電気設備が動かなくなる被害がでました。被災地区のみなさんに心からお見舞い申し上げます。市として給水や復旧に取り組み、ひと月ほどかかった6月になってようやく回復できました。最先端の技術をもってしても落雷防止には限界があり、再発を食い止めるのは難しいと、歯がゆい思いです。6月議会でもこの問題が取り上げられ、梅雨の季節に緊張感が漂う日々です。

 この議会開会がせまったころ、九州歯科大の西原達治学長から嬉しい知らせを受けました。「テレビのコマーシャルでもよく見聞きする大手製薬メーカーが、豊前市と豊前築上歯科医師会で取り組んでいる口腔ケア事業に参加したい」との申し出があり、承諾を求める内容でした。「全国的にも少ない在宅の高齢者を対象とした口腔ケア事業で、認知症予防と口腔ケアの関連を調査して予防薬などを開発したい」との構想もあるようです。もちろん快諾しました。

この事業は平成27年度にスタートしたあと、昨年度までに在宅療養している高齢者など82人が参加。多くの方に唾液、粘膜、口臭、舌圧に改善が見られたほか、介護認定更新で要介護1から要支援1になった方もおられます。

いずれにしても、豊前市と歯科医師会、九歯大が全国に先駆けて進めている口腔ケア事業が大企業に認められたということは、誇らしいことです。筒井修一歯科医師会長は「全国初の小さな地方の口腔ケア事業を、豊前モデルに育てていきたい」と張り切っています。今年度も50人を対象に事業を続けていきますので、ご希望の方は市役所・市民課にお申込みください。

 中に居ては見えにくいことが、外からの評価で理解される、ということはありうることですが、口腔ケア事業がまさにこれに当たるのではないでしょうか。市民のみなさんはもちろん、市内の企業等にも参加を呼びかけ「豊前市はみんなで口腔ケアに取り組んでいる生涯現役、健康のまち」となりたいものです。

 今月4日から8月19日にかけて、市内の11校区と市役所の全12か所で「市政懇談会」を開催します。昨年度までは、同時期に市内4か所で開いていましたが、より細かく、より身近に「後藤市政2期目の目指すところを市民のみなさんに聞いていただき、なにより市民のみなさんの声をたくさんお聞きしたい」という思いです。とくに、校区で暮して校区をもっともよく知る市民のみなさんから、校区のもつ潜在力、未知の可能性を教えていただき、市と協働で校区をもっと輝かせていけたらと願っています。たくさんご参加いただき、素晴らしいお知恵を、夢をお分けください。お待ちしています。

 

市長の部屋 平成29年6月

「区長さん、お力を」

 29年度がスタートして早くも3か月目を迎えました。市長選挙のため骨格予算という1年間に必要な、義務的な予算を3月議会で議決いただきましたが、6月議会ではこれに肉付けする予算などを審議いただくことになっています。

 4年間の実績の上に、これから先の豊前市をどのようにカジ取りしていくのか。新たな施策、実行が課されています。期待に応えるべく市をあげてしっかりと取り組む覚悟です。

 ところで、読んでいただいているこの市報を毎月、市民のみなさまのもとに届けていただいています区長さんたちの任期満了に伴う改選があり、このたび131人の区長さんが再任、新任されました。5月15日には地区の正副区長会長さんで構成する21人の役員会があり、八屋・大村地区の清本靖弘さんから宇島地区の熊原博幸さんに会長がバトンタッチされ、新体制での1歩を踏み出しました。これから2年間、地域のコミュニティ(共同体)活性、課題解決にお力を貸していただきますようお願いいたします。

 地域最先端で頑張っていただいています区長さんたちですが、最近では、引き受けてくださる方が限られ、地域によっては順番に、と交代制を取り入れているところも多くなったと聞いています。131人のうち71人、半数以上が交代されています。定年延長で地域活動に加わることが困難になっていることや地域課題などを担わされて負担が大きいなど、区長就任、継続を敬遠する傾向にあるようです。

 区長さん、副区長さん、組長さんは地域コミュニティの根幹になる役職です。市政を住民のみなさんに隅々まで浸透するには市職員だけではできません。われわれが目指す協働のまちづくりに欠かせない貴重な人材、戦力です。

 なぜ、区長さんになるのを敬遠されるのか。どうしたら区長さんを進んでお引き受けしてもらえるか。やってみたい、と思われる区長さん像とは、などなど考えていかねばなりません。2期目の大きな課題です。どなたか、お知恵をお貸しください。

 こんな原稿を書くのに呻吟していたとき、枝川内あじさい祭り実行委員会のみなさんが、市長室に来られました。17、18日におこなわれる祭りについて概要をお聞きしました。シャトルバス運行、交通指導員配置、あじさいフォトコンテストなどの支援要請もいただきました。

 いよいよアジサイのシーズン到来か、の思いと同時に枝川内というわずか40人ほどの集落が、棚田にアジサイ1万5千余株を植栽、手入れしていること。除草、枝切りはもちろん鹿被害の対策までこの1年間尽くしていただいた結果が、赤や青のきれいな花にあらわれること。多くの遠来のお客を地元の農産物と共に迎え入れる、おもてなしの心など、頭の下がる思いです。まさに「小さな村の大きな挑戦」です。同時に、すばらしいコミュニティの姿です。2日限りの地元産そばをふるまうそば屋さんもあります。みなさん、是非ご参加ください。

市長の部屋 平成29年5月

「人間関係を活かして」

 この度の改選で再度、豊前市長を拝命いたしました。無投票という結果ではありましたが、市民のみなさまの信任を得ることができ、1期4年間の努力を認めていただけたと感謝いたしています。

 この4年間で最初の大きな衝撃は、平成25年の市長就任直後に動き出した市内大手製造工場の熊本県への大規模移転でした。当時120人ほどだった社員さんが約20人に縮減。関連企業の社員さんを含めると大変な人材流出でした。そして10haほどもある工場用地の大半が空きスペースになったのですから。

 八方手を尽くしましたが、なかなか展望は開きませんでした。そこで、広大な空きスペースを借りて別の企業を誘致できないか、という働きがけが始まりました。そんなときに当時、経済産業省から東北大学教授に転身していた豊築出身の方が紹介してくれたのが、同31年営業運転開始めざして工事が進行している豊前ニューエナジー合同会社の豊前バイオマス発電所です。

 「未来へつなぐ電源のまち」宣言した豊前市にふさわしく、海外からの燃料を宇島港に陸揚げする計画で、国際的な企業の進出です。投資額は当初、約250億円とも言われました。

あわせて喜んだのは、九州電力豊前発電所の遊休地に建設された世界最大の蓄電池設備です。やはり国内最大と言われる太陽光発電の「電気の貯金箱」です。約200億円の投資額は発電所分と合わせると豊前市に税収面で大きな成果を生み出してくれます。

 こうしたハードの投資だけでなく、市の職業訓練センター3階に進出した富士通コミュニケーションサービス株式会社豊前サテライトオフィスは、市内に多い製造業の分野ではない事務系の企業進出となりました。事務職がないから市外に出ていく、といった若い人たちを市内でも活躍していただけるソフト企業です。この秋には規模が拡大、将来計画ではさらなる拡張が期待できそうです。頼もしい限りです。

 こうした元気になる明るい報告が、どうして市民のみなさまにできたのか。実は共通していることは、豊前市を知らなかった方が、ちょっとしたきっかけで知るようになり、企業の進出に結び付いたのです。最初のバイオマス発電所は、ご縁のある地元関係者が広大な空き地と発電の歴史を結び、知り合いだったイーレックス社の幹部に繋いでくれたこと。世界最大規模蓄電池は、ご縁の深い知り合いが「豊前立地」に動いてくれたようです。力のある、頼もしい先輩です。

 富士通誘致は、親しい県庁の職員が、「人口減で空き部屋となった公共施設の活用を」と、足しげく通ってくる私を見かねて立案してくれたのが、大きな引き金になったと聞いています。いずれにしても、ご縁を突破口に、市議会をはじめ、周囲の多くの方々のお力添えがあってできたことです。また、ご縁を大切に、人間関係を活かしていく姿勢が功をなしたと認識しています。こんな活動を今期も続けていきますので応援してください。

 

市長の部屋 平成29年4月

「財政基盤の再構築」

 歳月のたつのは早いもので、市民のみなさまのお蔭で市長就任させていただいてから満4年になろうとしています。後藤市政の一期目が幕を閉じようとしています。

政策に関して質問という形で執行部に論戦を挑んでいた議会人から、質問を受けて立つ、執行部の責任者に、まったく逆の立場になったわけですから、ずいぶん混乱をして多くの方々にご心配とご迷惑をかけたことと思います。支えていただいた市の職員や地域の最先端で市民生活を一緒に支援してくださっている区長さん、各種委員のみなさま始め多くの市民のみなさまに感謝申し上げます。

豊前市が少子高齢化進展のなか、どのようにかじ取りをすべきか、想いを巡らし汗をかかせていただきました。第5次総合計画と第2次、第3次行財政改革推進プランを基本に、厳しい財政を少しでも効果的に活用し、国の進める地方創生の流れに沿って「豊前市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を土台に「豊前がもっとよくなるように」取り組んできました。

創生会議・総合戦略の第一に、人口が減っていく中、地域活力を失わないように「観光振興」で交流人口を増やしたいと考えています。長期に利用しやすく滞在していただける古民家活用事業を年度内完成目指して進めています。多くの空き家を移住者の受け皿にできるように、との取り組みも目指すところです。

第二に、「教育、文化の振興」です。豊前に生まれて、明るく元気に育ってくれるように子育て支援の強化が必須です。ふるさとへの愛着は、歴史や地域の伝統文化を知り、体験することで深まっていくはずです。とくに地域の神楽や祇園は深い人間関係、誇りにつながり、子どもたちがふるさとから離れられなくなるのではないでしょうか。

第三に、1次産業の振興です。農林水産業は豊前市産業の基本です。生命と環境保全につながる豊前市の山、川、里、海と空気、清水を大切に守るのは、この恵まれた自然を高度に活用することです。6次産業化につながる犬ヶ岳のツクシシャクナゲ群生、求菩提の修験道、森林セラピー基地、そして畑の冷泉、うみてらす豊前などは魅力いっぱいの財産、資源です。

 このような戦略をもって、少子高齢化がじわじわと進む豊前市に、どのようにしたら活力が取り戻せるのか。日々悩む市長拝命いらいの4年間でした。まだまだ十分とは言えません。

とくに財政基盤の再構築は喫緊の課題です。市の一般会計だけでなく広域の一部事務組合や特別会計などについても、無駄を省き、活きたお金として使えるように努力します。市民のみなさまや、議会の方々から知恵をいただきながら、謙虚に取り組む覚悟ですので更なるご指導をお願いいたします。

 

市長の部屋 平成29年3月

  「農林水産業と観光の振興」

 少子高齢化がじわじわと進む豊前市に、どのようにしたら活力が取り戻せるのか。日々悩む市長拝命いらいの4年間でした。人口減少をとどめる方策として、まず若い人たちを市外に流出させない手立てとしての雇用の場の確保ですが、現状は製造業が人手不足という皮肉な状況です。バイオマス発電所の誘致や自動車部品会社の拡張などで雇用のチャンスはさらに広がっています。もちろん、コンタクトセンター業務の富士通コミュニケーションズ社のような事務職といわれる仕事はまだまだ十分ではなく、この方面での雇用拡大が課題です。

 人口が少なくなるのに歯止めをかけるのは難しい仕事ですが、地方創生のなかで交流人口、つまり豊前市を訪ねてくる人を増やす目標をかかげています。たとえば観光客の誘致です。うみてらす豊前には連日多くの客がつめかけています。この方々に満足していただきながら、市内の他の名所探訪に誘うことができれば、と考えます。

 こうした観光面での活性化は、市だけでなく周辺の自治体とも連携して取り組む必要があります。緑多き山々や清流の河川、恵み豊かな里と海。伝統の修験や神楽、祇園まつりなど。誇れる宝満載の豊前ですが、周辺市町にも多くの観光資源が散在します。

 これらと連携して、ルートとして整備し、魅力を醸し出す努力が求められます。市だけでなく、周辺の町や市と協力して交流人口の受け皿をつくっていくのです。名所めぐりや美味しいもの食べ歩きだけでなく、恵まれた自然や伝統文化を地元の人たちと交流しながら体験する楽しさ、喜びを味わっていただくのもひとつです。

 こうした新たな魅力づくりを単独の市町ではなく、連帯して取り組もうという動きが起き始めました。行橋市と築上町、そして豊前市が核となり、周囲に呼びかけ、一次産業と観光の振興を目指すのです。「豊前海」という共通の海をかかえる市や町が「豊前海一粒かき」「豊前本ガニ」の成功例につづく特産品開発に挑戦するのです。とくに、一昔前まで大量生産されていたアサリの復活では、県水産海洋技術センター・豊前海研究所が特許を持つ「かぐや方式※」技術を駆使して稚貝を蓄養して安価で味の良いアサリ生産に結び付けることも考えられます。アサリの復活は吉富町までふくめ共通のテーマになります。

 このほかにもタイラギなど豊前海の水産資源の発掘、トリ貝の回復などがみられるところですが、荒れた漁場の改善や港湾の整備など大きな予算を伴う事業の推進は関係自治体だけでなく県のバックアップも重要です。県の力を引き出しながら京築全体が浮揚する、そんな取り組みが求められます。広域で県と結びながら次代を描く。一次産業と観光を同時に活性化する施策を展開する時代です。さらに頑張らねば、と決意しています。

 

※かぐや方式:塩ビ管の中にアサリ稚貝を入れて蓄養することで通常よりも早く成長させる装置

市長の部屋 平成29年2月

「古民家活用」

 穏やかな天気の中で酉の年が明けて早、一か月がたちました。元気にお過ごしでしょうか。寒の季節です、インフルエンザや風邪などに気を付けてください。

 地方創生の時代、ことしから市は古民家を活用した事業に本格的に取り組んでいます。公募により提供いただいた山内にある空き家となった民家の改修です。市外住民が田舎暮らしを体験、地域の住民と交流できる場づくりです。

そんな事業がすべりだした新年早々、こんなやり方もあるのか、という稲作に取り組んでいる女性と出会いました。父親の出身地である栃木県の宇都宮市という大都会に住みながら、なんと、まったく農作経験もないのに県内にある父親の実家の農地で米作りを始めたのです。

 10代のころ、ご飯を食べるのが大好きで、将来はお米にかかわる仕事をしたいと念願していた「ごはん乙女」。その後、ごはん料理、和食とかかわってきて、いずれは自分で米作りを、と考えるように進化。ついに、25歳のときに父親の実家にたどり着きました。

 それからは体験のない農作に苦労しながら、今日まで、という経緯を想像したのですが、彼女は発想が違いました。おいしいお米づくりのレシピ(栽培法)をつくったのです。まず、土壌から、水から診断。適地を見つけるのに時間をかけ、その環境を活かして理想とするお米をつくってくれる農家を探しました。

 12年経った今では4町5反の農地で稲作を委託しています。もちろん有機肥料と地下水にこだわり一時は5町歩まで伸ばしたのですが、数量より品質の道へ転向しました。そして、栽培だけでなく米と米をゆっくり、10キロのお米を100分かけて米粒と米粒を摩擦させてゆっくり精米する循環式精米製法をとりいれるなど努力の結果、コシヒカリの特別栽培米「とち姫」が昨年産米の「2016年あなたが選ぶおいしい米コンテストin庄内町」金賞を獲得したそうです。

 このお米を、70センチ角の風呂敷に包みこんで販売するというこだわりが外国人にもうけて大人気の商品になっています。おどろきの発想力ではありませんか。

 彼女の目指している米づくりのように土壌や水の環境にこだわるなら、豊前市内でも可能性は大ではありませんか。清流や豊かな地下水、肥沃な土地が安全で美味しいお米を産んでくれます。

 市内では、農家自らが発想を変えることもできますし、彼女のような「そと者」を受け入れる場もあるでしょう。受け皿としての地域が見つかる可能性もあります。もちろん、一度も訪れたこともない方に彼女のような挑戦は出来ないでしょう。

 実は、豊前との縁が「ある」「ない」にかかわらず、豊前市をもっとよく知っていただくためにも、先述したように市は昨年、ご提供いただいた民家を地元のみなさまのご了解を得て改造中です。今年度内には完成予定です。多くの方々が各地から豊前市にやってきて田舎暮らしを、市の恵まれた自然環境と伝統文化を体験できる施設となる日がやってきます。この施設を活用して、豊前市に縁を結び、移り住んでくれる人であふれることを、旧正月の初夢とします。

 

平成29年 新年のあいさつ

「酉年に羽ばたく」

 新年、明けましておめでとうございます。輝かしい新春を、元気にお迎えのこととお慶び、お祝い申し上げます。年明け早々には、新成人のみなさまの成人式、豊前市消防団出初め式と新春を飾る行事が予定されています。必ずやこの一年の良い出発となる事でしょう。

 新年ですから、ことしの抱負、夢をふくんで述べさせていただきます。ここに書かれたことがすべて実現できるとか、決まったことではありません。市長は市行政の責任者ですが、ひとりの政治家でもあります。豊前市が「こうあったらいいな」「こんなこと出来たらいいな」など、夢を語るのも大切だと思っています。

 まず、地方創生の時代をどのように切り抜けていくのか。過疎化する地方共通のテーマ。「自力で、さらに国の支援を受けて人口を増やしていくのが地方の当然の目標だった時代」から「止まらない人口減少を予測しながら、備えをしていく時代」に方向転換するのが地方創生の基本理念にあります。

全国の多くの地方自治体が高齢化と人口減少に歯止めがかからないなか、市長拝命いらい取り組んできたのが、「生涯現役社会づくり」でした。高齢化は問題ではなく、健康寿命を伸ばして、自宅に閉じこもらずに社会性をもち、活動する生涯現役の市民増を目指すものです。行政が取り組むのは、活躍する舞台と現役期間を支える健康寿命の長期化です。

その具体策のひとつで、在宅高齢者を対象にした口腔ケア事業は九州歯科大学と地元の歯科医師会の先生方を中核に市内展開しており、今年度が2年目になります。専門家の定期的なケアを受けられた方々の中ではっきりとその効果が見られた方もいらっしゃいます。健康づくりは長い年月かけて、その取り組んだ成果が見られるようになります。地道に一歩ずつ進み、広げていくしかありません。とくに口腔ケアを小学校などの子供たちや、市内企業の従業員のみなさんに健康管理対策のひとつとして取り入れていただけるように頑張りたいと思います。

 

市長拝命いらい、九州高圧コンクリート工業さんの遊休地活用対策として新たな企業誘致にとりくんできましたが、ようやく昨年秋に、東証一部上場企業イーレックス社を中核とするバイオマス発電企業が立地決定。ことしから本格的に動き出し、槌音が聞かれることになるでしょう。「未来につなぐ電源のまち宣言・多様化するエネルギーを活かした循環型社会づくり」をかかげる豊前市にふさわしい企業の進出です。

完成すれば、規模で国内最大級の7万5千kw。再生可能エネルギーが各地に送られます。海外から輸入する木質原料を燃やす、環境にやさしい再生可能エネルギーが豊前市から送電されます。総投資額約250億円は、市内の雇用拡大を生じ、と経済波及効果が期待できます。経済活性の牽引車になっていただけるように市としても支援していかねばなりません。

このほか、昨年3月に国の重要無形民俗文化財指定された豊前神楽の中心的な存在である豊前の伝統芸能、文化を力強く発信していきます。昨年6月オープンしたうみてらす豊前には市外から多くのお客様が新鮮で、旬な、美味な魚介類を求めて足を運んでくれています。この流れを大きく、太くして地域活性につなげていかねばなりません。東九州自動車道の開通で250万人ともいわれる福岡都市圏をはじめ、北九州や大分圏域の消費者の眼を、脚を、うみてらすに向けてもらえるように魅力アップに努めていかねばなりません。

森林セラピー基地としての癒しも大きな豊前の魅力です。恵まれた自然や神楽、祇園などの伝統文化を、より多くの人たちに知っていただきたい。さらに美味しい豊前の食材と温かい豊かな人情と触れ合っていただきたい。こうした資源を活かして交流人口の増大を図り、豊前市を元気にしていきたいものです。春にもこの拠点となる古民家整備ができる予定です。

また、これまで北九州市など県内4ヶ所のパスポートセンターまで出向かなければならなかった旅券取得が今年の四月から、県下小規模自治体で初となるパスポート発給事務が市役所で開始されます。利便性が高まります。

まだまだたくさん、もっと大きな夢も語りたいところですが、語った夢を実現できるように精進、努力していきます。酉年にちなんで羽ばたきましょう。

 

市長の部屋 平成28年12月

「祝、釜井前市長に旭日中綬賞」

この秋の叙勲で釜井健介前市長が旭日中綬賞を受章されました。4期16年の市長任期をつとめられ、全国市長会の副会長も兼任された実績が認められました。市としても誇りであり、嬉しい限りです。心から、お慶びお祝い申し上げます。これからも健康に留意され、我われをご指導くださいますようにお願いいたします。

 「ユネスコ無形文化遺産登録にむけ」

 「九州の神楽ネットワーク協議会結成」

 ことし3月に国の重要無形民俗文化財に指定された豊前市の6神楽団体を含む福岡県、大分県の15団体で構成する豊前神楽保存連合会が、九州各地の重要無形民俗文化財指定を受けている9神楽保存会などと「九州の神楽ネットワーク協議会」(以下「協議会」)を結成。ユネスコの無形文化遺産申請に向けて動き出しました。

 参加した団体は、京築神楽として活躍する豊前神楽をはじめ、長崎県が壱岐、平戸、五島。大分県が御嶽(おんだけ)と熊本県が球磨。宮崎県が銀鏡(しろみ)、高千穂、椎葉、高原の神舞の各団体です。

 協議会は11月5日、豊前神楽保存連合会代表ら約40人が宮崎県の高千穂町で初会合を開き、会長に高千穂神社の後藤俊彦宮司を選出。事務局は宮崎県教育庁・文化財課におきます。

 ユネスコの無形文化遺産保護条約は条約加盟の170か国にのこる無形文化遺産を保護し、重要性に関する意識の向上などを目的に2006年に発効。日本では、2008年に能楽、人形浄瑠璃と歌舞伎が登録されたのを皮切りに、2013年に和食が、2014年には和紙が登録されています。

 登録には、まず文化庁がユネスコに提案する案件として認めなければなりません。協議会として地元の各団体が組織を維持、発展させながら文化庁への働きかけをしていく必要があります。文化庁としては、神楽は全国的に広げて申請する方向のようです。文化庁の提案案件、ユネスコへの登録までは高いハードルを越えなければなりません。豊前神楽がユネスコ無形文化遺産に登録される日まで、力を合わせて努力していきましょう。

 「海の漁師目指して、地域おこし協力隊員に」

 福岡市で歯科技工士をしていた今智彦さん(40歳)が、豊前市の地域おこし協力隊員として11月1日に赴任しました。奥さんと一緒に宇島に居を構え、当初は、うみてらす豊前で働きながら3年後までにカキ漁師として独立を目指す、とのことです。

 都会で専門職に就き生活していた今さんは、若いころから農業や漁業に関心があり、県関係者に豊前市を紹介されて転身を決意したそうです。豊前での夢が実現できるように頑張ってください。応援します。

市長の部屋 平成28年11月 

 男性71歳、女性74歳が平均――10月8日に九州歯科大学で行われた口腔保健・健康長寿推進センター開所記念式典で来賓の小川洋知事(山崎副知事代理)から紹介された数字です。平均寿命なら男性80.79歳、女性87.05歳(平成27年)なのに、と思いますが、紹介された数字は健康寿命。つまり、健康で暮らせている平均年数だったのです。男女のそれぞれの差は、医療や介護の世話にならなければ暮らしていけない期間です。実は、この時期を短くすることが健康寿命を延ばすことになります。

 九歯大・豊前市では健康寿命を延ばすには口腔ケアが大切だとし、豊前築上歯科医師会などと連携して在宅高齢者を中心にした訪問事業を展開しています。2年目になりますが、歯の磨き方だけでなく、口腔内の衛生、歯と歯茎、舌、喉の機能保全から全身の筋肉量などを歯科の専門家チームで個別指導しています。これらのデータを国民健康保険、後期高齢者医療のレセプト(診療報酬や薬剤報酬、訪問看護療養費の明細書)とともに専用のコンピューターで管理し、その情報を九歯大で解析。口腔機能の低下や疾患がつぎの全身の病気にどのようにつながるか、などを推測して予防、長寿につなげようというものです。

 高齢者の場合、口腔機能の低下で摂食嚥下(食べ物を口に取り込み、胃袋まで通す)障害から栄養低下、飲み込み違いによる肺炎や窒息を引き起こす危険性が高くなります。血液をサラサラにする薬を服用している方も多く、抜歯などをすると出血が止まらなくなり生命の危険にさらされることがあります。

 九歯大は、このような高齢者が増加傾向にある時代に合わせ、専門の教育を受けた開業している歯科医師を育成する機関として全国に先駆けて口腔保健・健康長寿推進センターを開設したということです。頼もしいセンターが身近にできたことを歓迎します。

 開所記念式典に来賓として出席された厚生労働省の田口円裕歯科保健課長は、「医療・介護サービスの提供体制の総合的整備をとおして地域包括ケアシステムの構築を進めている」「健康で質の高い生活を営む上で、歯と口腔の機能は重要な役割を担っている」としたうえで「歯科医師の役割は極めて重要」と明言。「口腔保健・健康長寿推進センターに関しては、国においても大変注目しています」と挨拶されました。

 式典終了後、田口課長さんに、豊前市での「生涯現役社会づくり」と「口腔ケア事業」の取り組みについて見解を聞いたところ「施設など限定されたところでの取り組みは行われて、成果も見られます」「大学、地元歯科医師会などと連携した地域で取り組んでいる例はあまり存じ上げませんが、国の助成制度も活用して成功するように頑張ってほしい」「口腔から全身の健康につながる事業です。短期で効果がみられるところもあるでしょうが、息の長い取り組みです。応援します」と語っていただきました。

 健康で長生きできる年数を伸ばすことは幸せを伸ばすことになります。多くの市民のみなさんの参加ができるように取り組んでいく覚悟です。

市長の部屋 平成28年10月 

「普通会計で支えてきた事業特別会計の見直しを」

 「身の丈に合った行政運営を」「公営企業など経営効率化を」―9月議会で、市の監査委員から27年度の普通会計決算をもとに財政運営に関してこんな指摘を受けました。市の財政健全化の大きな指標である経常収支比率が26年度の95.8%から94.3%に少しだけ改善されたとはいえ、予算の中で人件費や扶助費など使い道が決められた部分を示すこの比率が依然として高止まりしている実態に警鐘を鳴らされました。

具体的には、当初予算から組み入れられている財政調整基金(一般家庭では預貯金)を取り崩した予算編成を歳出過多とし、結果的に当年度は取り崩しなし、とした財政当局の頑張りは評価していただいたものの「身の丈を守り、健全財政を維持して住民の福祉向上に最大の効果をあげて」と求められました。

さらに、普通会計外である「水道」「公共下水道」「農業集落排水施設」「東部地区工業用水道」事業(公営企業)会計ではいずれも、主たる業務活動から生じる「営業収支」が赤字で「入ってきた料金収入などでかかった経費が回収できていない」経営をずっと続けている。民間とは単純に比較できないものの、「本来、独立採算が原則で補助金など営業外収入に大きく依存している」「徹底した歳出の削減、新規の加入促進など努力しているが、根本的な改善には至っていない」と指摘されました。

そのうえで、「し尿など一部事務組合および、近隣自治体や水道企業団との有機的連携、公共下水道と農業集落排水との統合など早急に実現させ市民の生活に欠くことのできない、これらのサービスを安定的に持続提供できるように努めて」と提言されました。監査委員のご意見で普通会計から補助金で支えてきた団体、組織にも節減の方策を講じるように求められました。この要請にこたえるには、大胆な構造的、組織的見直しときめ細かい、市民協働の取り組みが必要です。この削減が、次世代のために必要であると認識し、市民のみなさまにご理解とご協力を求めていくとともに汗を流す覚悟です。

最後に9月議会・決算特別委員会で公表した「貸借対照表(バランスシート)」「行政コスト計算書」「純資産変動計算書」「資金収支計算書」の財務4表(総務省の基準に基づいて作成)から少し、紹介します。

普通会計の貸借対照表に発表された、市の資産(有形固定資産、売却可能資産、投資・出資金、基金、現金・預金など)と、負債(地方債、長期未払金、退職手当引当金、翌年度償還予定地方債など)は平成26年度末の時点で、資産額463億6千1百万円余。負債額131億7千3百万円余となっています。これを人口(2万6千740人平成27年3月31日現在)で割ると、1人あたりは資産額173万円余、負債額49万円余となり、純資産額は124万円余となります。

行政コストは、人件費など人にかかる費用16億9千万円余。物件費や維持補修費、減価償却費など物にかかる費用27億6千6百万円余。社会保障給付、補助金など移転支出的費用58億4千1百万円余。その他を含む経常行政コストから使用料・手数料などを差し引いた純経常行政コストは99億7千4百万円余となっています。

市長の部屋 平成28年9月

「漁港から広がる、うみてらす効果」

リオ五輪、高校野球の甲子園が終り、雨から見放された熱い、暑い8月がいきました。まだまだ猛暑がつづきそうですが、秋はやってくるのでしょうか。

思い起こせば、雨のない八屋祇園の初夏。梅雨は一転して豪雨。明けと同時に、記憶にないほどの、体温に近い気温の猛暑日が続きました。

そんな中、4月24日には東九州自動車道が開通。直前に熊本大地震が発生し、開通記念行事自粛の幕開けでした。そして「開通すれば、豊前は通り抜けされるのではないか」との大きな危惧は的中してしまいました。

的中の代表例。道の駅「おこしかけ」について、新聞各紙は「前年に比べて30%超の減収」と、過激に表現しました。なぜ過激か、といえば、前年は築上町の椎田南ICと豊前IC間7.2kmが未開通のため、この地域を通過する全車両が豊前市内を通らなければならなかったため、おこしかけの来客数、売り上げとも過去最高だったのです。最高の条件時の数字と、開通と大地震の余波を受けた過去にない減収の、両極の数字を比べて「こんなにひどい」とは、です。

こんなときに、オープンしたのが「うみてらす豊前」。6月7日以来、連日行列ができる盛況。お盆の13日までの来客数は約3万組にも上ります。これまで豊前市と縁の薄かった福岡都市圏や筑後地区、そして佐賀や熊本、さらに広島や大分市のみなさんまでが「うみてらす」へ車を走らせています。

おかげで客足が遠のいていた「おこしかけ」も波及効果か、復活の兆しが見えているようです。これまで豊前市と縁が薄かった遠来の客層です。時間距離が短縮される高速開通効果と言えるかもしれません。もちろん、これまで北九州市や筑豊から一般道で来ていただいていたみなさんも増加傾向にあります。「いつまで続くか」と懸念はぬぐえませんが、みんなの知恵と力を合わせて続くように頑張らねばなりません。

もうひとつ、「うみてらす」で変わってきたと、言われているのが漁師さんたちです。土曜日が休漁日でしたが、開店以来、これを返上。「つめかけるお客さんに、地元自慢の海の幸を届けたい、喜んでもらいたい」と沖に出ています。豊かな海ならではで、盛夏のころの悩みである赤潮が発生すると、「漁にならない」とあきらめて出漁しないのが当たり前だった漁師さんたちが、「待っているお客がいる」と、魚が避難した赤潮のない沖の海域まで出かけて頑張っています。

また、「うみてらす」で働く人たちも多くなりました。10代から80代まで50人を超す雇用を生み出すなど、多くの効果が見えています。地方創生にかかる一次産業の振興の一環として、まずは、漁業振興に集中的に投資(総事業費のおおよそ半分は国等の補助)したことによる、薄く広くの「ばらまき」では出にくい効果ではないでしょうか。地域おこしにつながる税の使い方だと思います。

もうすぐ、秋の使者でもあるガザミ(ワタリガニ)の身がつまり、美味になってきます。このような秋の実り、おいしさに魅かれて豊前市を目的地にするお客さんが増えつづけるように期待したいものです。

 

市長の部屋 平成28年8月

「ゴミ分類で資源化、草の焼却処分見直しへ」

 ゴミの減量が大きな課題となっています。この欄でもことし2月号で吉富、上毛両町と運営する能徳工業団地にある「豊前市外二町清掃施設組合」で、年間約1万3千トンものゴミを処分するのに年間4億円超のお金をかけている実情を紹介してきました。ゴミを分類して減らし、経費を節減し、出てくる焼却灰も減らさなければ、灰を最終処分している上毛町の埋め立て場が5年ももちません。

市政懇談会でも、このゴミを減量する必要性を市民のみなさまに訴えてきましたが、そのなかで実にもっともなご意見をいただきました。

 「市はこれまで、指定されたゴミ袋になんでも入れていい、としてきたではないか」「これまでの方針をいつ変えたのだ」とのお声でした。その通りです。市民のみなさまに、これからの方針を、どのように説明するのか、理解していただくのか、大事なところです。

 9年前、清掃施設組合にリサイクルセンターが整備されたとき、それまで各家庭、事業所からは18分類して出してもらうことになっていたゴミ出しを、リサイクルセンターで、カン・ペット・ビン等の分別を行えるようになったため「一緒に出してよい」という現在の方式に転換した経緯があります。リサイクルセンターで人手をかけて一括分類した方が、市民のみなさまへの負担が少なくなると同時に効率的との判断があったと考えられます。

 ところが、「なんでも楽に処分できる」ことからゴミの減量が一向に進まず、ダイオキシン問題で草木も燃やしてはいけない、という環境施策からも膨大な草木が焼却施設に集まってきました。毎年5月から10月までは日量約90トンの焼却能力ある窯の隙間ができた分、草を満杯まで投入するため、窯の中の耐火煉瓦などに大きな負担がかかっています。処理量の約1割出る灰の量も膨大となるうえ、焼却費用は1トン当たり人件費を含めて約1万9千円にもなります。草を焼くのに、です。もったいない。

 フル稼働する施設の運営費がかさみ、排出される焼却灰は最終処分場を満杯へと急進しています。現状で、新たな最終処分場を5年ほどでつくることは不可能です。灰の量を減らして処分場を延命するしか先は見えません。上毛町のみなさんにも迷惑をかけ続けていることを考えますと、申し訳ない思いです。

 そこで、施設を運営する組合の理事会(3市町長で構成)で今年度4月に「3市町で足並みをそろえてゴミの減量に取り組むために、施設と担当者レベルの協議を開始する」など対策に乗り出したところです。市と町が共通の認識で、減量作戦に乗り出そうとしています。

 特に、ごみの分類と雑草の焼却量を減らすことは急務です。ゴミを分類して資源化し、ボリュームで圧倒している草を別の方法で処分しなければなりません。草は焼却炉の寿命を縮めメンテナンス費を押し上げ、同時に大量の灰となり、灰埋め立て場の寿命も縮めています。

ゴミを分類して資源化、減量化して焼却施設の延命のために市民のみなさまの力を貸していただかなければなりません。市民のみなさまのご理解、お力添えをいただくためにも現在、分類や草の自家処理の方法について地区常会等でもわかりやすくお知らせできるよう準備をすすめているところです。

 

市長の部屋 平成28年7月

 

うみてらす豊前が6月7日、豊前市・宇島漁港そばにオープンしました。小川知事、中尾県議会議長をはじめ多くの来賓出席のもと盛大に式典、テープカットができました。豊築漁協など多くの関係者のご尽力に心から感謝申し上げます。

 魚価の低迷、資源減少、後継者不足など厳しい環境にある地域漁業の現状に苦しむ漁家のみなさんが「獲った魚介の価格を自らが付けることができる」「豊漁の魚介を加工して付加価値をつけることができる」「直接、お客さまをむかえて料理をふるまう場所の整備」などをめざして市が建設した施設ですが、経営を同漁協に管理委託(指定管理)しています。

 水産の1次、2次、3次を合わせた施設を市が建設。漁師さんが、運営にかかわることで特色をもち、新鮮で美味な海産物を提供でき、漁師さんたちの所得向上と、前向きな笑顔を取り戻したいのが狙いです。

 1階には、水揚げしたばかりの魚を水槽にいれて活きたまま販売し漁師さんや奥さんが注文に応じてさばいてくれます。もちろん、切り身、刺身などの加工品もずらり。同時に地元の農畜産物やお菓子なども並ぶ「四季旬海」があり、大人気です。

 同じフロアにガラス窓に仕切られた加工室があり、ここでは漁家の奥さんたちなどが注文された魚を調理してくれるほか、市内の直売所などの売り場に並べる惣菜や加工品をつくります。将来的には、学校給食に提供する魚料理ができればと願っています。

 2階には、大人気の漁師食堂「うのしま豊築丸」が移転リニューアルしており、豊前海のブランド産品となっている「豊前本ガニ」「豊前海一粒かき」や旬のコショウダイ(コタイ)、ハモ、海藻のアカモクなど四季折々の魚介を食べることができます。

 なんといっても2階のテラスから眺めることができる180度広がる豊前海の眺望、眼下に接することができる漁船が並ぶ港は近郊ではなかなか得られない絶景です。「うみてらす」の名前の由来でもあるこのテラスにぜひ立ってみてほしいものです。

 大きな特長は、隣接する県の豊前海研究所の協力をえて魚介類や漁師さんたちの仕事などを直接学ぶことができる事です。海の食育の場としても活かせるように、と準備しています。落ち着いて運営できる時期には、映像と解説を通してわかりやすく知ることができますので、バスを仕立てて「海をテーマの生涯学習」を楽しんでいただきたいと思います。

 開所いらい、さばききれないお客様が押しかけてきてくれています。場所がわかりにくい、広いはずの駐車場は満杯、注文したメニューは2時間以上待たねばならない、期待した魚が売り切れているなどお客様の苦情が多いのも事実です。開店を前に準備してきたはずですが、期待に応えきれていないことをお詫びする次第です。

 でも、多くの元気出る声も届き、スタッフの疲れをいやしてくれています。「今まで見たことない景観に感激」「食べられなかったけど、スタッフのアドバイスで買ったコタイがおいしかった」「スタッフの親切な対応、一生懸命ぶりがよかった」など。漁師さんたちからも「遠くから来てくれたお客さんが喜んで買ってくれた」「もっと漁に出て魚を獲っておいでと、妻にせかされた」など前向きに取り組もうという姿が感じられています。

まだまだ、スタートしたばかりの「うみてらす」ですが、3億円を超す税金を投資することでご了承いただいた市議会の期待に応え、東九州自動車道開通の時代に、いままで豊前市を知らなかったみなさんが豊前市を目的地として選んでくださるように、みんなで頑張っていきたいと考えています。ぜひ、ご利用ください。

 

市長の部屋 平成28年6月

50人という死者・行方不明者、一時は18万人もの避難者を生んだ熊本地震。被災直後から市の呼びかけに多くの市民のみなさまが応えて頂き、たくさんの支援物資を寄贈くださいました。その量は2トントラック4台、10トントラック1台、バス1台分です。このほか、京築消防本部は直後から救急車で救急隊員を、被災建築物の確認に市の技術職員を派遣しました。自主的に、炊き出しなどボランティア活動をされた方も多かったと聞いています。

多くのご協力で赤ちゃんを抱えた家族を市営住宅に受け入れ、自主避難先にペレットストーブ10基を送っています。本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。まだまだ、復興への道は始まったばかりです。これからもお力を貸しください。市として今後もできる限りの支援を続けます。

 こんな中ですが、沖縄で開催された九州市長会に出席しました。自治行政上の共通する課題を討議し、解決に向けて国の法的整備などを求める要望を九州118市(残念ながら、熊本県の6市と他県の4市は欠席)が一堂に集まって決議する場です。総意として来月の全国市長会に提案。同時に、熊本大震災の復興復旧対応も議決しました。

 市長会の議案審議中、熊本地震で庁舎が崩壊する姿をテレビで実況され大きな波紋を呼んだ宇土市を激励訪問した宮崎県西都市の市長から、宇土市長の言葉として「耐震、建替えは学校や福祉施設などを優先。市庁舎の改築は後回し」。耐用年数がきているのを認識しながら「現状放置してきた」ことへの後悔。被災後、「幸いにも体育館が使用できたもののコンピューターが危険な市庁舎から持ち出せず、事務処理機能がマヒして被災者救済の拠点、復旧、復興の司令塔としての大きな役割をしっかり果たせない」という無念が伝えられました。

 このうえで、全国市長会を通して国に、「合併した自治体は合併特例債で庁舎建替えができるが、合併できなかった自治体のひとつである宇土市などは財源が乏しく大災害に対処できない。被災した庁舎の更新、新増築にしか使えない緊急防災・減災事業債を、被災しない自治体でもつかえるように見直しを」と訴えました。西都市も宇土市同様に平成の大合併を逃した市です。

 今回の大地震で震源地に近い豊前市は、被害が最小限の地のひとつです。しかし、自然災害は地震だけでなく、いつ、どんな形で襲ってくるかわかりません。そのとき、どんな体制で迎え撃てるか。市民の安全確保に最大限対処できるか。建物としてのハード拠点、人材とコンピューターの機能を失わないソフトの両面での備えが大切です。「お金がない」「市役所は最後まで我慢」ということで着手してこなかった市役所の耐震改修や設置直後から不評の防災無線に加えて個別受信機を各戸設置になど、早急に方針を打ち出さなければならない時を迎えています。

市長の部屋 平成28年5月

「小さな家畜フォーラム」

 地域コミュニティ(同じ地区に住んで利害を共にする人の集団)が疎遠になっている。高齢化で道路愛護参加者が減少傾向。耕作放棄地がなかなか減らない。農林業で鳥獣被害が増すばかり―これら悩み、問題を多くの地方都市がかかえています。利便性が高く省力・機械化、効率化、エネルギーの転換、スピード化、経済性を重視した近代化路線をながく突き進んできた私たちの周りで起きている問題ともいえます。

 少子高齢・人口減少、世帯分離の時代にあって、どうしたらこれらの問題を解決できるのか。もちろん、お金をかければ解消できる問題もありますが、限られた財政のなかで問題を解きほぐしていかなければならないのが現実です。

 では、どうすればいいのか。もしかしたら、前を向くだけでなく、たどってきた道を振り返ることも大事ではないでしょうか。歴史をたどると、教えられることもあるはずです。たとえば、経済的に豊かではなかったが、人々が協力しながら穏やかに心豊かに日々を刻み、ヤギやニワトリと共に暮らす景色が見えるかも知れません。

 そんな暮らしや地域を取り戻したら、もしかして今の多くの課題を少しだけでも解決してくれるかも、解決のヒントが得られるかも、と5月7日に市多目的文化交流センターで、「小さな家畜フォーラム」が、開催されます。県・畜産課の提案で私を会長にフォーラム実行委員会を結成して開催の準備を進めています。

 フォーラムは午後1時から開会のあいさつのあと、鹿児島大学農学部の中西良孝教授が「山羊の魅力」と題して基調講演。同2時から地元の尾家光将さん(恵光園・ワークセンター栃)桂川町の古野久美子さん(合鴨家族古野農場)筑紫野市の柳瀬浩司さん(日本エコシステム)が、それぞれ放牧ブタ、アイガモ、エミューを飼育する事例を発表します。

 たとえば、石油や電気でうごく機械をつかって、人間が管理してきた農地や道路、公園などの雑草は、高齢化の進展で体力的、経費的にも維持に限界が近づいています。その結果、耕作放棄地や荒れ地が増えているのではないでしょうか。昔のように、ヤギやニワトリの力を借りて雑草を処理する、生えにくくする。

小さな家畜に飼い主だけでなく、近くの人が集まる。きれいな生活空間や自然環境を取り戻し、そこに会話や交流が生まれて、地域のコミュニティがよみがえるきっかけとなる。足元でニワトリが動きまわり、遠くの田んぼの隅に草を食べるヤギがのどかな風景が見られる。もちろん家畜ならでは、肉や卵が活用できるのです。

 小さな動物では、家庭で飼われるペットの犬や猫が大きな存在となっています。家族の一員で、癒しの存在として認められ、大切にされています。小さな家畜も、そんな「戦力」になる可能性があるはずです。ぜひ、参加いただき、小さな家畜を見直すきっかけにしていただければ、と思います。入場無料です。

*    *   *

東九州自動車道の県内未開通路線だった椎田南IC―豊前IC間が4月24日開通しました。これまで必ず市内を通過しなければならなかった高速利用の自動車が市内を通らず、通過されてしまうことになりかねません。市が半分近くを出資する道の駅おこしかけの利用客が減少する懸念が大きく、何か手を打たねば、と開通3日前の21日に、おこしかけのシンボル大屋根の下に一夜にしてヨーロッパの町をつくりました。あっと驚くサプライズの町。高齢者の客層が主だったおこしかけに子どもや若い世代が集まってくれることが期待できます。一度お出かけください。

 

「平成28年度 施政方針」

 私にとりまして,本年は平成25年4月に就任して以来,市民の皆様方のご支援をいただき4年目を迎えることになります。この1期の総仕上げとして,これまでの経験を活かし,今後とも,激動する時代の流れを的確に捉え,課題解決に取り組むとともに,市民の皆様が夢を持てるように,未来の世代に繋げる豊かなまちづくりを推進してまいりたいと考えております。

 

 さて,本年1月4日の安倍総理大臣の年頭記者会見において,少子高齢化という長年の懸案に真正面から挑戦し,「戦後最大のGDP600兆円」,「希望出生率1.8」,「介護離職ゼロ」という大きな目標を掲げ,この3つの的に向かって新しい三本の矢を放ち,一億総活躍への挑戦を始めるとのご発言がありました。国においては,これまでの取組により,賃上げ率は二年連続で前年を上回る伸び,有効求人倍率は23年ぶりの高水準となるなど日本経済はデフレ脱却までもう一息のところまで来ており,全体として緩やかな回復基調にあるものの,一部に弱さもみられるところであり,引き続き機動的な経済財政運営を行っていく方向性を示しています。同時に,少子高齢化という構造的な問題があります。この約30年間,出生率は大幅に低下しており,高齢化率は着実に上昇し,2008年をピークに人口減少に転じております。こうした少子高齢化の進行が,労働供給の減少のみならず,将来の経済規模の縮小を招き,経済の持続可能性を危うくするという認識が,将来に対する不安・悲観へとつながっていると考えられます。それらに取り組むために,若者も高齢者も,女性も男性も,障害をお持ちの方々も,みんなが活躍できる社会,いわゆる一億総活躍社会を目指し,一人ひとりの個性と多様性が尊重され,家庭で,地域で,職場で,それぞれの希望がかない,それぞれの能力を発揮でき,それぞれが生きがいを感じることができる社会を創り,一人ひとりの希望を阻む,あらゆる制約を取り除き,活躍できる環境を整備するとしております。

 本市においても,国と歩調を合わせながら,市民の皆様方の理解と参画をいただき,各事業を着実に実行してまいりたいと考えています。

 

 ご案内のとおり,昨年は,豊前市が誕生し,市制施行60周年という大きな節目となり,5月に60周年記念式典,ジョージ・アリヨシ元ハワイ州知事ご夫妻をお迎えして,「おかげさまで」と題して記念講演をしていただきました。その答礼として,11月に文化交流訪問団をハワイに派遣し,神楽・和太鼓・ジャズオーケストラの共演により,文化活動で互いの心が通じ豊前市の持つ伝統文化の価値と育んだ文化の力の素晴しさと誇りを体感できました。今後の活動にどのように活かしていくかが課題となります。

 また,新しい風も吹き込んでいます。九州電力豊前発電所敷地には,世界最大の蓄電池施設が設置され,バイオマス発電所の建設計画も新聞報道されました。さらに,議会におきましても,「未来へつなぐ電源のまち宣言 ~多様化するエネルギーを活かした循環型社会づくり~」について,ご議決をいただきました。まさしく本市は,電源供給を担うまちとして,発展するとともに,発電事業は,先人達の大きな志とその努力により,近代化推進の原動力として地域において重要な役割を果たしてきました。一方で,東日本大震災以降,電力供給は,多様な電源による効率的なエネルギーの活用が求められ,特に再生可能エネルギーの活用は,今まさに求められる重要な政策であり,未来の子ども達へとつなぐ循環型社会づくりに必要不可欠な取り組みであります。今後は,動向を注視しながら,積極的に推進したいと考えています。

 次に,本年度の主要な取組について,ご説明申し上げます。

 

観光・産業の振興

 本市には,様々な地域資源があり,それらを活用することにより,観光振興を推進します。

 平成13年には,求菩提山が国の史跡指定,平成24年には,求菩提の伝統的な農村風景の希少価値が国から認められ,重要文化的景観の選定を受けました。さらに,平成26年には,山林のもつ優れた癒しの力が森林セラピー基地と認証され,他にはまれな心身ともに健康増進につながる魅力的な地域でもあります。

 さらに,求菩提温泉「卜仙の郷」,道の駅「豊前おこしかけ」,水産振興施設と連携して本市の魅力を発信し,観光客(交流人口)の増加を目指します。そのためにも,商工会議所など民間の協力を得ながら,観光協会にその推進役を担っていただく予定です。

 本年は,東九州自動車道豊前・椎田南間が開通しますが,本市にとっては,通過点にならないよう努力しなければなりません。この課題を克服するためには,道の駅は勿論ではありますが,水産振興施設のPRも重要であり,地域おこし協力隊を活用して,施設の運営・企画・情報発信等を行い,山海の幸を堪能しリフレッシュしてお帰りいただき,また豊前市を訪れたいというリピーターを増やしていきたいと考えています。

 次に,商業振興について,県の補助事業を活用して,商店街の魅力発信・情報発信を行い,PR活動をきっかけに来店機会の創出につなげる商店街活性化事業をさくら祭りに併せて支援するとともに,プレミアム商品券の発行を行いながら,消費喚起を促し,地域経済の活性化を図ってまいります。

 

教育の振興

 昨年は,東松島市に18名の中学生を派遣して,被災地体験学習を実施いたしました。生徒に,被災地の現状を体験してもらい,報告会では,「まだまだ復興は進んでいない」「学習を通して,人と人とが団結,協力しあうことは,大きな力や強さに変わることを改めて知ることができた」「今,自分たちに出来ることは何か」等様々な意見が出ました。百聞は一見にしかずで,やはり自分の目で被災地を見て,耳で地域の方の話を聞いて,肌で雰囲気を感じて,大変貴重な体験ができたと非常に喜んでおります。引き続き,本年は,昨年応募していただきながら参加できなかった小学生を対象に,被災地体験学習事業を実施し,現地で実際に被災した方々の話や建物などを見ることにより,今後の生活に少しでも役に立てばと考えています。

 環境整備につきましては,国の補助事業を活用して,八屋小学校・山田小学校・合岩小学校・八屋中学校において,体育館の天井等の改修工事を前倒しで行い,国が進める非構造部材の耐震対策と長寿命化を図り,防災対策を行ってまいります。

 また,大村小学校区における学童につきましては,他の小学校で実施されている放課後児童クラブとは異なりますが,放課後・夏休みなどに,子ども達の健全育成・安全確保を目的に大村すこやか子ども塾事業を行います。ただし,継続的・安定的な運営を確保するため,保護者・地域の方々・民間事業所が協力連携して,事業内容を企画・実施していく独自の運営形態を予定しています。地域の方のご協力・ご支援をよろしくお願いいたします。

 次に,児童の読書ばなれに歯止めをかけるため,一昨年より取り組んでおります読書リーダー養成講座を継続実施し,市立図書館と各学校の連携を深めてまいります。本年は新たに,家庭での読書「うちどく」を推進し,家庭における本を通した家族のコミュニケーションを図ります。具体的には,読み聞かせボランティアと学校司書が担当教諭と協議し,選んだ本を持ち帰り,家族で同じ本を読む・本の話をするといった各家庭に応じた時間を過ごし,その本を次の家庭へとリレーしていきます。リレー方式による本と感想等の情報交換を行い,家庭での読書を活発化させることにより,読書習慣の定着と「豊前市子ども読書推進計画」において目指す家庭・学校・地域における読書環境の充実に取り組みます。さらに,青豊高校との連携についても,検討してまいります。

 文化芸術につきましては,本年1月15日,豊前神楽が国の文化審議会において,重要無形民俗文化財とするよう答申されました。地域の誇るべき宝が国に認められ,多くの方々に神楽を見ていただきたいと思います。また,県指定無形民俗文化財である山田の感応楽について,地元から国指定への要望があり,重要な資料である由来書の所在も判明したため,経緯を踏まえて国に対し,国重要無形民俗文化財への指定に係る意見具申を行うため,国の補助事業を活用して学術的な調査を実施し,映像記録や調査報告書の取りまとめを行いたいと考えています。

 

医療・介護・福祉の分野でのきめ細かい行政サービス

 市長就任以来,掲げてまいりました「生涯現役社会づくり」については,昨年,在宅歯科訪問事業を実施しましたが,本年は蓄積されたものを疾病予防・健康増進につなげ,市民全体に広げたいと考えています。

 さらに,調理等が困難なため,食事を適切にとりにくい高齢者や障害をおもちの方々に対して,夕食の配食サービスを行うことで,食生活の改善及び健康増進を図っておりますが,本年は,十分な支援が受けられないことで,栄養面での健康保持が困難となる方に,配食サービスによる栄養改善の状態を,管理栄養士等の専門職員が必要に応じて,個別に確認・評価し,一人ひとりに応じた栄養指導・改善を行ってまいります。また,栄養改善と深く関係する口腔機能についても,状態の確認や適切な口腔ケアが出来るように指導を行い,関係機関と連携します。事業において,収集した情報は,今後の健康づくりに活用するため,在宅歯科訪問システムへ蓄積を行ってまいります。

 また,本年よりがん検診の受診料の見直しを行い,受診者の負担軽減を図るとともに,健康づくりカレンダーの充実など受診率の向上を目指し,早期発見・早期治療による重症化予防に努めます。そして,インフルエンザワクチン予防接種費用の助成を中学3年生まで拡充して,感染症予防と子育て世代の支援に努めます。

 次に,本年から2ヵ年の期間において,高齢者保健福祉計画を策定いたしますので,各計画との整合性をとりながら,高齢者の皆さんが住み慣れた地域で安心して暮らしていただけるよう福祉施策の推進を図ってまいります。

 さらに,ひとり親家庭等医療証と重度障害者医療証が,本年2月診療分から中津市でも一部使用可能となりました。これまで,福岡県外の受診時には患者負担金を支払い,市役所に申請のうえ後日払い戻しを受けていただいておりましたが,その手続きが省略されます。関係機関のご尽力を賜り心より感謝申し上げます。今後も引き続き協議を重ね,市民の方の利便性の向上を図ってまいりますので,ご理解とご協力をお願いします。

 そして,昨年より,小学生から中学生までの医療費助成の拡充を実施いたしましたが,本年も継続して,安心して子育てできる環境整備を行ってまいります。

 

人口減少に歯止めをかける対策

 首都圏をはじめとする地域からの移住希望者に対し,働きながら一定期間本市で居住することにより,就業・就農体験等をとおして豊前市の魅力や住みやすさ等を体験していただき,将来的には,本市への移住・定住の促進を図ります。また,活動状況と併せて移住希望者への情報提供として,市外の方から見た,感じた豊前市について,広く県外に情報発信を行っていただくことで全国各地から多くの定住者を   呼び込み,移住へと結びつけるトライアルワーキングステイ事業に取り組んでまいります。

 また,地域では空き家が増加傾向にあり,空き家バンク制度の運用でその活用を図っておりますが,その中には古民家もあり,外国人の方を対象としたロングステイのまちづくりを推進する上で,古民家の利活用についても検討してまいります。

 安全・安心なまちづくりについては,本年も,防災講演会を予定しております。昨年は,東松島市より元市民生活部長の大友氏を講師としてお招きし,東日本大震災の対応と復興のまちづくりについて講演をいただきました。災害に対する危機管理として,防災知識の普及・自主防災組織の育成強化等の重要性が示され,本市においても,防災に関する講演会や地震や津波を想定した防災訓練を継続実施することにより,市民の方々の防災意識を高め,いつ襲ってくるかもしれない災害に対応しうる備えを充実し,市民の生命を守るための災害対策の強化を図ってまいります。

 次に,本年4月より予定しております組織機構の改定につきましては,まちづくり課を商工課,観光物産課に分割し,都市整備係と建設課の住宅建築係を統合し,都市住宅課を新設して,東九州自動車道の開通やまち・ひと・しごと創生総合戦略に沿って,産業・雇用の創出,交流人口の拡大等推進体制の強化を図ってまいります。 また,総務課の人権啓発係と男女共同参画関連事業を統合し,人権男女共同参画室とすることにより,国の一億総活躍社会を実現するための推進体制を構築します。

 環境につきましては,パリ協定に基づくCO2削減対策として,市民の皆様にゴミの減量化・細分化にご協力していただき,リサイクルやリユースを推進することにより,経費削減に結び付け,循環型社会の構築を目指して,取り組みたいと考えています。

 市バス事業におきましては,平成27年度にデマンド交通の試験運行を予定しておりますので,試行期間の状況等を検証しながら,今後の本市の新たな公共交通サービスの検討を行い,利便性の向上と乗降客の増加につなげてまいります。

 

 以上,市政運営に関する私の所信並びに主要施策の概要について申し上げましたが,本年は,節目を迎えた新しい豊前市の第1歩目の年であり,本市が元気で輝き,また市勢がさらに好転し,活力あるまちになるため,豊前市の将来をしっかり見据えながら,取り組んでまいりますので,議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

 

 

市長の部屋 平成28年3月

「口腔ケア事業から見えた心身の健康維持」

  「生涯現役社会づくり」の主施策である口腔ケア。今年度取り組んだ在宅訪問口腔ケア事業が一段落しました。取り組みを終えた豊前築上歯科医師会は「個人差はありながら訪問するたびに笑顔が多くなる結果を多く確認できた」と、効果を実感。この事業は議会の承認を経たうえで新年度も深化、継続していきます。ケアを受けたい方は市の市民課に相談してください。

 この口腔ケア事業は、県の助成を受けて実施。豊前築上歯科医師会と九州歯科大学教授陣を中核に、在宅の高齢者合わせて61人を週一回から隔週に訪問、各人の健康状態に応じたケア、指導を行いました。まず、口の中をはじめ血液などを検査。例えば、口の中の細菌の量、舌圧、握力・体重などを記録。さらにふくらはぎの太さを計り栄養状態を診るほか、InBody(インボディ)という最新機器を使って水分、筋肉、たんぱく質、ミネラル、体脂肪などを各部位ごとに検査します。

 検査は同歯科医師会と九州歯科大学教授陣、そして管理栄養士、歯科衛生士さんでチームを組み、定期的に歯や歯茎のメンテナンス、口腔体操などをして、その時点での個人データを今回独自に開発したプログラムに入力。各人の口腔や心身の健康状態の変化を記録してきました。同歯科大の安細敏弘教授は「認知症が進行している方でしたが、歯科衛生士の定期指導で歯と口のメンテナンスを重ねたほか、家族のみなさんの支えでしょうか、3か月後にはご本人はずいぶん明るくお元気になられました」との印象も。今後は、蓄積された全データを同歯科大で分析。積み上げられたデータから読み取れる結果を次につなげていく計画です。

 豊前築上歯科医師会の筒井修一会長によれば「歯科では例のない規模の事業です。個人差はありますが、おおむねいい結果につながっています。今回得られたデータを健康長寿に活かしたい」と前向きです。事業に参加していただいたみなさんに感謝しています。歯や舌、口の中をきれいに、強くすれば心身の健康につながることが全国に先駆け豊前市で立証されようとしています。継続して取り組み、生涯現役を誰もが実感できる地域づくりをめざしてがんばります。

 

 

市長の部屋 平成28年2月

   「ゴミ分別で、CO2削減、温暖化防止へ」「国県から指導される前に」

昨年末、フランスのパリで開かれた気候変動枠組締約国会議(コップ21)で世界196の国と地域が先進国、途上国の区別なく2020年から地球温暖化対策に取り組んでいくことを決めた「パリ協定」が採択されました。日本はCOの排出量を2013年比で26%削減するという目標を表明しました。

これをどのように具体的に実行、推進していくのか、国の、都道府県単位の目標、市町村ごとの目標、施策を打ち出さねばならない時がやってきます。国際間での取り決め、条約を国が持ち帰り、国から県へ、それを受けて市が取り組む構図です。国県から末端の自治体への下請け構図が見えてきます。こんな従来のやり方でいいのか。いわゆる「待ち」「受け」で、自主性のない末端自治体の姿勢でいいのか。と、考えています。

本市でどのような総合施策を打ち出せるのか。詳細な事業を展開するべきなのか。地方創生の時代に「待ち」ではなく「攻め」に転換して、豊前ならではの施策を、国や県より早く提案、実現しなければならないのではないでしょうか。

 では、どうするのか。豊前市は、昨年の12月議会で「未来へつなぐ電源のまち宣言~多様化するエネルギーを活かした循環型社会づくり~」を議会で採択していただきました。石炭火力の時代を経て石油火力発電所が現存し、世界最大規模の蓄電装置も立地。多くの太陽光発電の場所をもつ市内に、近く木質バイオマス発電所が誕生する見通しです。

 この多様な発電、電源の地域にさらに小水力や風力、そしてバイオガス発電をそろえて「多様な発電のまち」を目指したいと思っています。こうして地下に埋蔵されている石油や石炭などを原料にする発電を少なくしてCO発生を抑制する方向にすすめる。結果的に温暖化を防止する目的に近づくようにしなければなりません。

たとえば、バイオガスの場合、多くはメタンガスを発生させ、そのガスをつかって発電するわけですが、メタンガスをつくるには有機物が必要です。原料の有機物を購入していては、もったいない。現在、市内でゴミとして排出されるなかに多くの有機物があります。代表例が、生ゴミです。

各家庭などから出される生ゴミは市によって回収され、豊前市と吉富町、上毛町によって構成される清掃施設組合の焼却場で処分されています。燃やしてCOをつくっています。この生ゴミを集めてタンクに入れ、産みだされるメタンガスで発電する。この電力をどのように利用するか。ゴミからとった「原料無料」の電力です。楽しみです。

こんなゴミ利用を真剣に考えることによって、大きな変革が期待できます。現在、この清掃施設組合を運営するのにかけている年間約5億円の経費(豊前市で約2億5千万円)を減らす方策にもなる見通しもあります。

年間総量約1万3千トンのゴミを集めて処分している施設組合ですが、このうち40%ほどが生ゴミ、紙おむつ類です。これらは金属、プラスチック類などがきちんと分別できていればそのままメタンガス発生につながります。10%ほどを占める剪定枝や青草。10%のなかの大半は青草ですがメタン発酵に使えます。

こんな資源は、分別をしっかりしていなければ、利用できません。生ゴミのなかに金属、プラスチック類などが入れば、発酵がうまくいかず機械などを損傷することもあります。分別が必要です。分別さえすれば「ゴミが資源になります」。

先進地の大木町では、ゴミを26品目に分別して回収し、ゴミを半減しています。半分の焼却となればCOを半減できるわけです。豊前市でもやればできるのではないでしょうか。国や県から「指導」される前に動くことが大切です。地方創生の時代です。われわれで抱える悩みを、われわれが先に気づき対処する、解決策を出していく。例えば、ゴミの徹底分別。そんな挑戦をしていかなければ、子どもたちや孫たちに可能性ある豊前市をバトンタッチできません。

 

 

市長の部屋 平成28年1月 

豊前市に仕事あります。帰したい、帰りたい方、相談ください。 

 新年あけましておめでとうございます。

 市制施行60周年という大きな節目の昨年は、5月に60周年記念式典。ジョージ・アリヨシ元ハワイ州知事ご夫妻をお迎えして、名誉市民称号を差し上げ、元知事には胸にその章をさげ、記念講演「おかげさまで」をしていただきました。  

 答礼の形での11月の文化交流訪問団ハワイ派遣は、豊前の神楽、和太鼓とジャズオーケストラの共演が、3か所の舞台でスタンディングオベーション(立ち上がって拍手する最高の反応)という大成果。文化活動で互いの心が伝わった瞬間を体感できました。「豊前はすごい!」を出演者が実感でき、これまでの活動に自信と誇りを持てたことが何よりでした。今後、このステージをどのように活かしていくか。大きな課題であり、夢です。

 そして、団員が2kgずつ持ち込んだ豊前産米をホノルル総領事館で炊いていただき、女性団員が結んだ400個のオニギリは、現地の日系人を中心に大反響。豊前米の美味しさを伝えることができました。豊前産の黒米は、アリヨシ元知事の奥様ジーンさんが大ファンで、「豊前のお米をハワイで食べたい」との希望も聞いています。豊前のおいしいものをハワイに売り込むことも、テーマとして浮かんでいます。

 昨年後半から豊前市に元気な風が吹き込んでいます。九州電力の豊前発電所敷地に世界最大30万kwの蓄電池施設が設置決定(年内にほぼ完成)。その後、約7万5千kwの国内最大バイオマス発電所進出検討が新聞発表されました。このほかにも自動車関係、IT通信関連の事業所などが豊前市進出の動きを見せ、地場企業の拡張なども具体化しています。こうした勢いを新年はもっと大きく、確実なものにしていかねばなりません。

 勢いをさらに大きくしていくために、いま求められているのが人材です。全国的に景気が回復基調にあるのか、人手不足が広がっています。豊前市内の事業所でも同じです。このところお会いする企業の方々から、昨年ひらかれた東京での県主催企業等立地セミナーでも「人材が欲しい」「人の集めやすいところに進出したい」という切実な訴えが聴かれました。

 これまで「豊前市内には就職先がないから」などの理由で市外に「とりあえず進学」「仕方なく就職」した若い世代の方々が多かったのではないでしょうか。でも、自然豊かで美味なる農林水産物に恵まれ、神楽や祇園などの幼いころから身に沁みついた祭事がある「豊前に戻りたい、ふるさとで暮らしたい」「仕事さえあれば、すぐにでも」などの話。さらに「都会では給料は少し高いけど、家賃や食費、交通費には金がかかる」「自分で使えるお金と時間に制限が多い」など、「こんなはずではなかった」との声が耳に届いています。

 いま、豊前市の立地企業や進出予定企業は人材を求めています。正社員への道も大きく開け、最短の時代になっているようです。「子供を帰したいけど、どうしたらいいか」「同級生、友人が豊前で暮らしたいと言っている」。もちろん、豊前市が故郷ではないが「豊前のような環境で暮らしたい」との思いをお持ちの方、お聞きの方は、ぜひ市役所にご相談ください。

 年賀状の季節です。「豊前市で仕事するなら、相談できるよ」とのメッセージを添えてください。年末年始に帰省された方に一声「帰ってこんね。仕事はいろいろあるようだよ」「市役所に聞いてみませんか」と、お声掛けください。お願いいたします。市役所はハローワーク豊前出張所と連携し、受け皿となる企業についての情報や手続きなどアドバイスできます。もちろん、個人の秘密は守ります。担当窓口は市役所・まちづくり課です。

 この1年が、市民のみなさまにとって元気で輝く年に、市勢がさらに好転し、活力ある地域になりますことを祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。

 

市長の部屋 12月

「地方で支えあう

    創生に前向き」 

 東日本大震災以来支援を通してお付き合いしている宮城県・東松島市から、今年の第17回豊築漁協さかな祭に、宮城産のカキが300キロも送られてきました。地元豊築産カキは、十分な実入りを確保するために、12月末からしか出荷できないので、宮城産かきを送り込んでいただきました。東松島のみなさん、有難うございました。

 今、建設中の水産振興施設は、新鮮で豊かな豊前海の幸を皆さまに提供して喜んで頂くことにより、漁家の所得向上や漁港の活性化を目指すほかに、観光振興や地域間交流の拠点となることが必要です。

 今回の東松島市からの応援は、一度きりではなく、水産振興施設が来年度オープンしてからも続けていただきたいと考えています。カキだけでなくサケやサンマ、スケトウダラにホタテガイやホヤなど三陸の沖から豊富な魚介が水揚げされます。これらを旬の時期に送っていただき、豊前海にはない美味しいものを並べたいと思っています。あわせて東松島市の文化や観光なども紹介する計画です。もちろん、先方にない豊前海の旬も、送付できるように、観光情報も届けられる関係を模索します。

 併せて東松島市の文化や観光なども紹介する計画です。もちろん、先方にない豊前海の旬も、送付できるように、観光情報も届けられる関係を模索します。

 こんな港と港、地域と地域の連携が豊前市と全国他の市町とできたらいいな、と願っています。このことで、豊前市に暮らしながら友好関係の町のことがわかり、うまさも味わえる関係を築きたいものです。そんな交流こそ、国に頼るだけでなく地方同士のつくりあげる地方創生となるはずです。前向きに取り組んでいきます。

 ところで、11月11日から16日までハワイに神楽集団「若楽」「ニュースイングジャズオーケストラ」「豊前天狗太鼓」のみなさんら35人をふくむ66人で行ってまいりました。5月に豊前に里帰りし、「おかげさまで」と題して講演いただいたジョージ・アリヨシ元ハワイ州知事への答礼訪問。同行された福岡県人会の能丸会長さんともども「こんな素晴らしい豊前の神楽文化を是非、ハワイで披露して欲しい」との強い要望をお受けしての訪問団派遣でした。市の厳しい財政事情も考慮し、国の事業で経費の2分の1を補助してもらうことが出来、ジャズ、神楽、和太鼓の派遣団員については大きな負担なく訪問が出来ました。

 大きな目的である教育交流の扉もあける方向で動き始めました。ヒロにあるセント・ジョセフ校の関係者が豊前に大きな関心を寄せていただき、早ければ来夏にも訪問団を送りたい意向を受けました。次につながる楽しみな流れが出来そうです。その次は豊前から、となるように頑張ります。

 

市長の部屋 11月

 先月8日、豊前市に久しぶりに明るいニュースが流れました。約1年前より本市の第三セクターである豊前開発環境エネルギー社と共に取り組んできた大型の企業誘致「新電力のイーレックス社進出検討開始」です。国内最大のバイオマス発電所が豊前市に進出する計画の発表です。循環型社会育成を目指す市として、再生可能エネルギー発電所実現のため出来る限りの協力を惜しまない覚悟です。

 イーレックス社は、東京に本社を置き、現在は高知市で土佐発電所(出力約3万キロワット)を稼働、佐伯市で出力約5万キロワットの発電所を建設中です。九州電力100%子会社である九州みらいエナジー社と共同運営会社をつくり、インドネシア、マレーシアからパーム椰子殻を輸入して、これを主燃料に約7万5千キロワットの発電を計画しています。

 木質燃料を使うわけですから当然、灰が出てきます。この灰については豊前開発環境エネルギー社が海洋環境浄化能力を持つ資材に活用。灰処理の負担が少なくできる計画です。立地場所は九州高圧コンクリート敷地内となる予定です。この4社で事業検討開始の合意書を結んでいます。進出決定に向けて詰めの作業に入り、近く決定が期待されます。

 2年半前の市長就任直後、九州高圧コンクリート社で生産されていたコンクリートパイル部門が熊本工場に移る、という計画が表面化。それから1年ほどかけて移転が完了。

 何とかしなければ、と多くの人たちに跡地に立地してくれそうな企業紹介をお願いして歩く日々が続きました。この間、いくつかの企業が視察にきましたが、進出決定には至りませんでした。

 その後、イーレックス社の今回の発表となりました。人口減少が歯止めのかからないなか、雇用や税収面での効果を望めます。

立地場所には隣接して九州電力の石油火力発電所があり、太陽光などからのピーク電力を蓄える世界最大級の蓄電設備が現在建設されています。電気エネルギー供給基地としての歴史を刻んできた豊前市に、石油とバイオマス発電に、蓄電がそろい踏みする近未来図ができます。産業観光も夢見ます。

 もちろん、安定したパーム椰子殻を受け入れる基盤としての宇島港の整備強化など課題もあります。前向きに取り組んでまいります。

※10月号で書きました「人口減少時代に対応した事業の大胆な見直し」は関係機関に理解をしていただくべく作業を進めています。将来に負担を遺さないように決断、実行します。

 

市長の部屋 10月

「財政運営に赤信号」「経常収支比率95.8%に」 

 9月議会初日の3日、監査委員が昨年度の決算審査を報告したなかで「単純に歳入から歳出を差し引いた形式収支、繰り越し財源分を控除した実質収支は黒字だが、財政調整基金1億円を取り崩し、地方債の繰り上げ償還を加減した実質単年度収支は4千6百万円の赤字」「支出の中で、人件費、扶助費、公債費など義務的経費が税・交付税などの経常一般財源に占める経常収支比率は95.8%(将来への投資などに使えるお金はわずか4.2%)で、かなり硬直化が進んでいる」と指摘しました。普通の家庭に置き換えると「貯金を切り崩し、借金返済を一部繰上げしても赤字」「衣食住、医療、教育などの基本的支出、借金返済だけで95.8%。(家族旅行や家の改造などに回すお金は出せない)」と、まったくゆとりのない家計です。この傾向は、平成23年度から続いており、これからも続く危険性があります。

 さらに、今取り組んでいる地方創生のなかで浮かび上がってきたことは、今後20数年間に人口が2万人台を切る方向にあるということです。当然、これまでも人口減対策、健康長寿事業などに取り組んではいますが、減少の歯車を逆回転させることは至難です。

 これでは、財政の基本的心構えである「入るを量り、出(いずる)を制す」を強化しなければなりません。「入る」は人口増、企業誘致、産業育成などの施策。「出」はこれまでも取り組んできた歳出削減、抑制策です。しかし、いずれも十分に結果が出ている状況にはありません。近く、企業誘致については少し明るいニュースを提供できるかもしれませんが、歳出は削りすぎては、地域経済が縮小してさらに不況が加速するかもしれません。

 そこで、監査委員の次の指摘に耳を傾けなければと思います。「本市の上水道、下水道などの公営企業会計には総額3億6千万円という多額の補助金を支出しており、財政を大きく圧迫している」。市役所本体の職員数(218人)や経費は縮減努力を続けてきましたが、公営企業という特別会計やゴミやし尿を処理する一部事務組合の財務には大きな見直しは手つかず状態です。

 これらの中には、人口が3万人台を維持することを前提に開始され、そのまま今日まで保持されている施設があります。この先の人口予測が「減少傾向」と見えてきたのに、施設は「人口維持」ですから、今後は身の丈に不相応な大きな施設を持ち続けていかねばならないわけです。大きければ、それだけ大きな予算が必要なのです。負担を後世に回すことになります。

 経常収支比率が95.8%という「非常事態」に、こうした施設の今後についても大胆な見直し、改革が求められます。財政状況を示すシグナルが黄色から赤へと変化していく中、市民のみなさんや議会の理解をいただき、勇気をもって切り込む決断が必要となるでしょう。

 

市長の部屋 9月

「生産、加工、販売そして学びの拠点 水産振興施設が着工」

 宇島漁港の背後地、豊築漁業協同組合本所横に豊前市が同漁協とともに計画してきた水産振興施設が8月1日、着工しました。水揚げされた魚介類の加工、調理、販売の拠点。海の観光の目玉。海洋環境と魚介類の生態などを学べる場など多くの期待が集まります。目の前に広がる豊饒の豊前海。その恵みをどのように活かしていくのか。そして、次につなげるか。今を生きる私たちに突き付けられた大きな課題を解決する方策のひとつとして年度内完成を目指します。

 この施設は、2年前から県の豊前海研究所、同漁協と協議会をつくり、漁協の組合員さんたちの理解を求め、準備してきました。水産資源の減少、魚価の低迷、消費者の魚離れ、担い手の高齢化など漁業、漁家を取り巻く厳しい状況を打開するために取り組んだ施設です。農業に比べて遅れている水産業界では極めて珍しい6次産業化施設でもあります。

 建物は木造2階建て、延べ床面積547平方メートル。総工費約2億5千万円は国などからの財政支援を受け、市の負担はほぼ半額です。木材は市有林から切り出した京築ヒノキを多く使用し、水産だけでなく地元林業のPRにも一役かっています。

 1階に、水揚げされた魚やエビ、カニ、貝類などを生きたまま水槽に入れて、消費者に新鮮そのものを選択購入してもらえます。その場で活きたまま、もしくは漁師さんが魚をさばいて販売する計画で、専用のスペースをとっています。さらに、ステンレスの調理台などが見える調理室を設け、加工グループのみなさんが、市内の直売所、スーパーなどで販売できます。ここでは将来、地元で獲れた魚などを加工して学校給食に提供できるればと、考えています。

 2階は、エレベーターでも結ばれ、漁師食堂「うのしま豊築丸」が入ります。現状の2倍となる70席以上のテーブル。窓席、テラスから遠く豊前海が眺望でき、眼下に宇島の新旧漁港が広がります。夜になれば、ライトに浮かぶ漁船がロマンティックの雰囲気を醸し出してくれそうです。

 この施設の最大のウリは、玄関ホールや食堂で、映像装置により豊前海に生きる魚介類の生態や海洋環境、漁師さんたちが取り組む漁船漁業の実態、地元の漁業史などが学べることです。5分間から10分間にまとめられた映像が、海の生涯学習の場を提供します。もちろん、予約してもらえれば、食育の場をして活用できることになるでしょう。隣に、県の豊前海研究所があるのも学びの場としての強みです。無事故で予定以上に早く開業できることを祈っています。

 

市長の部屋 8月     

「循環型社会で、ゴミを減量。産出費用で地域を元気に」

 地方創生の時代を迎え、豊前市でもまち・ひと・しごと創生会議を立ち上げ先月2回目の会議をもちました。国が準備する1千700億円の交付金をめぐって知恵を絞りあう地方自治体の姿が浮かび上がります。もちろん、豊前市も市民2千人を対象にしたアンケート調査を実施するなどして、どんな創生プランをもつか11月をめどに決定する予定です。

 お金がないから、国の「交付金」をねらって知恵を出すのもいいのですが、同時に今の行政執行の中で「もっと無駄はないのか」「今を見直して作りだせるお金はないか」研究することも大切です。国が先導する形での創生事業とは別に「自力更生しなければ」と、考えています。

 それでは、どこから取り組むのか。豊前市は周辺の自治体と連携して目的別の執行体制と、チェック機能としての議会を有する一部事務組合という組織を抱えています。そこではゴミやし尿の処理、中学校、消防運営などの仕事をしていますが、かかる経費はそれぞれの組織から「ほぼ求められるままを各市町で負担」が現状です。

 ここにメスを入れて経費を削減する。そして浮かした経費を他の要望活動に回す。こんなことも考えていかねばなりません。例えば、ゴミを処理する豊前市外二町清掃施設組合の場合。豊前市から昨年度約2億5千万円が支出されています。市民のみなさんから預かった貴重な財源です。2割削減で、5千万円が産出できます。

 どうしたらできるのか。いま、市民のみなさんが決められた曜日に各家庭、地域から出し、市が回収しているゴミを減量するのです。ゴミを回収するときにもっと細かく分別することで、ゴミが資源として回収できます。リサイクル、リユースです。

 先進自治体では27品目に分けて、年間のごみの収集量を4,382トンから717トンに減量。埋め立て処分地の寿命を40年延命しました。また、資源ごみを売却した利益の一部を自治会に還元し、自治会の活動に役立てていただいているようです。豊前市では、市民のみなさんが協力していただき、減量・経費削減に結び付けば、市民のみなさんの要望する地域事業に回せたら「協働のまちづくりが実現できる」と考えます。

 国に頼らず、「今を見直して取り組める地方創生事業」こそ、やるか、やらないか、です。市民のみなさんが「立ち上がってくださればできる」事業です。資源、お金は足元に有り、です。豊前市としてこれから、地域のみなさんに相談しながら取り組んでいかなければ、と考えています。

 

市長の部屋 7月   

「観光協会発足で目指す豊前市観光の今後」

 豊前市に今月、観光協会が発足する予定です。市を中心に議会の協力を得ながら、商工会議所など民間の力を併せてのスタートです。事務局をどこに置くか、業務内容などはこの紙面をみなさんが読まれるころには固まっているはずです。

 豊前市は、京都や奈良、富士山、伊勢神宮などのような「一生に一度は行ってみたい」観光地ではなく、北海道や沖縄のような非日常の暮らしを体験できるところでもありません。でも、市内にはたくさんの観光資源が埋まっています。緑深き山々には、国の天然記念物ツクシシャクナゲ群生の犬ヶ岳、修験道の求菩提山、美形の経読岳など。修験の山には茶の木など薬樹、薬草の跡が刻まれ、山岳密教の歴史遺産は求菩提資料館に全国的にも例がないほど遺っています。

 山のふもとには畑の冷泉、求菩提の山水、挾間の乳の観音の霊水などの湧水があり、これらを源流とする多くの川には、アユやヤマメ、ハヤ、カニなども生息しています。山水を受けた棚田の美味な豊前米、里山の山野草を加えて山里の「食の原点」があります。

 求菩提の伝統的な農村風景の希少価値が国から文化的景観選定を受け、緑地や河川のもつ優れた癒しの力が森林セラピー基地として認証され、他にはまれな心身ともに健康を増進できる素敵な魅力ある地域でもあります。

 豊前海に目を向ければ、外海にはない豊かな栄養をもつ内海ならではの深い旨みを持つ、新鮮な魚介類が生息しています。4百種を超す魚介が四季折々の味をもたらしてくれます。この豊かな海の恵みを活かした豊築漁協の水産加工施設が年内オープンを目指して今月にも着工されます。ここを拠点に鮮魚の提供、加工、そして漁師食堂うのしま豊築丸の1次から3次まで集めた6次産業化施設となります。

 ここでは、隣接する県豊前海研究所と連携して魚介の生態、海の環境、地元の漁法、歴史などを、生産現場と所蔵資料、映像などで学べる「海の学校」を構想しています。生涯学習の施設として多くの方々に利用していただけるように少しずつですが映像制作から取り組んでいるところです。

 伝統文化として誇れる、神楽や祇園。市内各地に伝えられている祭事も豊富です。なかには角田地区のどんど焼きのおこもり小屋のように全国的にも珍しい風習もあります。ここでは真冬の寒い期間、地域の各家庭の夕食を小屋に持ち寄り、たき火を囲んで老壮青幼が交流、談笑するなど、このコミニュケーションが地域の連帯と絆を強めています。おこもり小屋は三毛門地区にも広がり、豊前市の新たな魅力となりそうです。

 ジャズや和太鼓、若楽の芸術、芸能、そしてスポーツなど掘ればいくらでも宝物が眠っています。こうした地域の宝、力を「資源として季節ごとに、地域ごとに組み合わせて情報提供する」ことが観光協会の大きな仕事です。「一生に一度」のあこがれの観光地ではないけれど、小さな驚きや、感動、喜びが重なって、負けない観光資源となるはずです。

 それには、地域の受け入れ態勢が必要です。主役の住民のみなさんが外からのお客様を気持ちよく接遇する「おもてなしの力」です。地域で出会ったら、こちらから声をかけたり、笑顔を向けるなど、ちょっとした気配り、気遣いです。

 これまで豊前市への観光客数などのデータは道の駅おこしかけの利用者数、販売金額などが基本でした。そのほとんどは通過客です。これからは宿泊客増を目指さなければなりません。

今月から、宿泊施設の核である卜仙の郷の運営を、福岡市に拠点をおき東京、湯平温泉、延岡市で店舗展開する鷹勝グループオーナー(豊前市・沓川出身)の会社にゆだねます。このほか、市内の宿泊施設、岩屋地区の農村民泊などを受け入れ施設として宿泊観光を拡充したいと考えています。しかし、宿泊施設の絶対数が不足することは明白だと感じています。そこで、負の資源となっている市内各地に存在する空き家を改修して、地域の身近な宿に利用してはいかがでしょうか。地域の同意さえいただければ、挑戦したい空き家対策事業でもあります。

 空き家利用の宿泊は、安価で長く滞在していただける可能性も秘めています。そのうえ豊前市では健康長寿をめざす口腔ケア事業を進めています。外からのお客様にもこの運動を伝える「健康と観光の町」「長期滞在型観光の地」となりたいものです。

 

 

市長の部屋 6月   

「有難うございました

     ジョージ・アリヨシご夫妻」

 市制施行60周年記念式典などの主事業が10日、盛大に無事に終了できました。これも、市民のみなさまのご協力、ご理解のお蔭です。有難うございました。限られた財政の中、市職員も会場づくりなど頑張ってくれました。おかげさまです。感謝です。

 そして、何より有難かったのは元ハワイ州知事ジョージ・アリヨシさんご夫妻、ご長男のご来訪です。アリヨシさんは「確か、8回目の豊前市訪問」。9、10日と丸2日間豊前市内を回ってくださいました。ご高齢のためお二人とも脚が少し不自由でしたが、出迎えの市民のみなさんに元気づけられたのか、後半は杖を忘れられるほどでした。この間、お二人が語られたエピソードを少し紹介します。

 アリヨシさんは記念講演だけでなく、三毛門小学校など機会あるごとに「おかげさまで」という日本人観を熱く、流暢な日本語で語られました。主に、14歳の時に「将来は大学に行って弁護士になりたい」と打ち明けたところ、お父さんは「分った。いいことだ、私は裸になっても君を支えていく」と決心してくれた。「嬉しくて、絶対に頑張ろうと誓った」と話されました。

 戦後の日本に進駐軍通訳として着任したGHQ本部近くの路上での「7歳の靴磨き少年との出会い」では、少年が戦争で国も家庭もみんな困っているから、(自分にもできる)靴磨きをしていることを知った。ある時、少年にこっそりバターとジャムを塗ったパンをあげたところ、「ありがとう、ありがとう」と言いながら少年は食べずに所持した袋に「なおした」(しまう、でなかったのでアリヨシさんの日本語は九州弁でした。嬉しい)。

 理由を聞くと、3歳になるマリコという妹と分けるとのこと。お腹をすかしながらなお、妹のために振る舞う少年に感動され、「日本は焼け野原だが、必ず近い将来に立ち直ってくる」と信じた、と。自分のためだけでなく、周りへの気遣い、気配りができる日本人の生き方の大切さを、少年の所作を通して強調されました。この話は、アリヨシさんから安倍総理のお父さん、晋太郎元外務大臣、安倍総理に伝わり「靴磨きの少年(シューシャインボーイ)とパン」として有名です。

 なぜ、三毛門小学校を来訪度に訪問するか、という問いに。「お父さんは3年生までしか学校に行けなかった。だけどそこで学んだ知識、生き方を子供の自分たちに話してくれた。恩を忘れない。義理を欠かないなどを教えてくれた。その恩返し」と。「お父さんは(アリヨシが戦争で)出征するとき、しっかりやってくれ。周りに恥をかかせぬように」とも。

 同じ境遇の移民でブラジルの日系人は、戦後、非常に肩身の狭い思いをしており、彼らは日系であることを隠していました。アリヨシさんが彼らに「ルーツが日本人であることを隠すより、堂々と日本人の生き方の素晴らしさを訴えるべき。誇りを持つべき」と語ったところ、涙を浮かべながら元気を取り戻したとのことです。その後、日系人として頑張ったことも披露して下さいました。

 

「食べ物でのエピソード」

 宇島の漁師食堂で旬のコウイカ定食。コウイカ、サヨリなどの刺身とサヨリ、キス、野菜の天婦羅。アサリ貝の酒蒸し。アカモク。以下は硬いし、大丈夫かな、との心配をよそに「おいしい」を連発しながら、ご夫妻ともほぼ完食。アカモクは納豆のようにご飯に混ぜたアリヨシさん。奥様はアリヨシさんのタクアンにまで箸を伸ばされ「おいしい」。

 歓迎レセプションでは、テーブルに料理が満載。いつもコース料理を食されているから、と案じていましたが「これは何」と聞きながら、ニコニコ顔。おでん、キヌ貝、ウナギの蒲焼き、黒米のお寿司、もつ鍋、三毛門カボチャのだんご汁など口に「おいしい」。お代わり、追加も。アリヨシさんは「こんな美味しい豊前の食べ物をハワイのみんなにも食べさせたい」と。

 二人は初めての卜仙の郷の温泉。入浴されたままなかなか出てこられないので、心配しましたが「山の中のこんな気持ちのいい温泉はない」と大喜び。初めての求菩提資料館視察や高校生と市民楽団の演奏、若楽と和太鼓のステージを見た今回同行の奥様は「いままで知らなかった豊前の素晴らしさを知り、豊前市がますます好きになりました」と語ってくれました。

 翌日の県議会訪問では、小川知事の水素エンジン公用車に乗っていただき、日本の最先端技術を体験されました。次の日には、東京で国会議員との懇談。そして夜は、天皇皇后両陛下からのお招きで晩さん会にご出席されました。偉大な方で、気さくな、思いやり溢れるご夫妻。ご夫妻にとってもご成婚60周年の思い出のふるさとへの旅だったと思います。

このご縁を、次世代を担う子供たちにつなげるため、豊前市としてしっかり頑張ります。

 

6月 

 

 

 

 

市長の部屋 4月   

 地方創生のプログラム「まち ひと しごと」が動き出しました。国が考えた施策を地方に補助金を渡して事業を実施するというこれまでの全国均一的「金太郎飴」施策ではなく、地方の知恵を、地方が実行できる正に創生プログラムです。

 実は、国の地方創生という政策が具体化し始めた昨年末、豊前市はいち早く「市職員全員参加で取り組むべきだ」と、仕事納め式で「正月休みを使って、創生事業を考えてほしい」と、呼びかけました。ふだん仕事を通して、市民の1人として「豊前市がこうあったらいいな、こうしてみたらどうだろう」などのアイデア、構想です。1月中旬に課ごとにまとめて提出してもらいました。そんな地元の知恵をこれから施策に仕立て上げていかねばなりません。苦労ですが、楽しみです。

 地元だけでなく、UIJターンと呼ばれる市外からの移住者の力を活かす地域おこし協力隊事業も今回の創生施策に盛り込まれています。豊前市では新年度採用の募集と試験をこのほど終了。新年度に設立計画のある文化協会職員2人と水産振興施設職員1人の3人を採用しました。

 協力隊員は東京、大阪、名古屋の3代都市圏や政令指定都市の住民で将来、豊前市に定住することを目指す人たちです。十分ではありませんが3年間の必要経費、給料を国が負担する仕組み。国では27年度、28年度まであと計3千人増員して継続される見通しです。

 豊前市は、この制度を活用してまだまだ多くの人材を採用したいと考えています。豊前市がこれから取り組みたい教育分野、1次産業、6次産業化、国際化をはじめ、市内に立地していない仕事や事業を起業しようという人材を確保したいと考えています。

今回応募していただいた中にも豊前市に来ていただけたらという人材もいました。ITの分野で長けた能力を持つ方、デザイン技術の優れた方、大学の講師や職員など。ユニークな人もいました。菜食主義者(ベジタリアン)で、畑で野菜を作りながら山羊を飼って自家製チーズをつくりたい、という夢を持って移住したかった女性など。こんな人たちの力を呼び込んで、豊前市の新しい顔、商品を作れたらいいなあ、と思いました。

 豊前市は、地域おこし協力隊以外にも、仕事が見つかるか、できるかどうか、いきなり移住するのは不安という方を対象にワーキングスティという事業も展開します。研修生を一定期間受け入れてくださる農家、企業などの協力をいただき、お試し移住ができる制度です。協力隊、ワーキングスティの事業にチャレンジしたい方をご存じの方は市総合政策課までご紹介ください。お願いいたします。

 このような、市外からの人材が持てる能力を発揮し、地域に貢献していただくために地元としてうまく受け入れる力も求められます。ご協力をお願いします。

 

 

※UIJターンとは・・・Uは故郷に帰る、Iは都市在住者が移転、Jは故郷ではないが故郷に近い豊前市に移り住むという意味です。 

 

 

市長の部屋 3月 

「ハワイ訪問と曜日蒼龍」

 豊前市政施行60周年の記念事業に、ジョージ・アリヨシ元ハワイ州知事を招聘するため、代表団長として5日から9日まで3泊5日の日程でホノルルとハワイ島・ヒロ地区を訪ねました。磯永市議会議長、山崎副議長、秋吉商工会議所会頭、宮房副会頭、上田教育委員長も一緒でした。

 初日はホノルル空港からヒロ空港へ。着後、ヒロ地区を統括する郡庁にビリー・ケノイ郡長とハワイ島日系人商工会議所幹部を相次いで表敬訪問。夕べには県人会のみなさんと懇親の時間を過ごしました。6日は今後の中学生などのショートステイ事業などにつながる教育交流先候補のセント・ジョセフ学校を視察。午後にはホノルルに戻り、アリヨシ元知事を事務所に表敬訪問。この席で5月に予定している60周年記念事業の記念講演を文書で公式要請。アリヨシ元知事から「喜んでお話ししたい。楽しみにしています」と快諾していただきました。

ハワイ

 この一連の行程をアドバイスいただいた在ホノルル総領事館の重枝総領事の計らいでこの夜は総領事館で盛大な交流会。アリヨシ元知事を囲み、県人会の方々などゆかりのみなさんと有意義な時間をもてました。感謝です。

 ところで、ハワイにはアリヨシ元知事など多くの移民のみなさんがおられるようです。市役所ではこうした移住家族をお持ちの市民のみなさんに、そうした方々を教えたいただき、メールなどで市の情報をお伝えできたらと考えています。日本語がほとんどの情報となりますが、連絡先を教えていただければ、リストを作成いたします。ご協力ください。

 今回の訪問に際し、ハワイと豊前の関係を調べてみました。あまり期待はしていませんでしたが、思わぬところで豊前とハワイの歴史秘話がでてきました。国立国会図書館に保存されていた豊後高田出身の僧侶の布哇紀行(はわいきこう・日記)です。僧侶は昨年、生誕2百周年のお祝いをした小今井潤治翁が創立した乗桂教校で浄土真宗を学んだとみられる曜日蒼龍(かがひそうりゅう)という人です。

 蒼龍はハワイが米国領になる前のハワイ王国時代。明治元年から渡った日系人が、サトウキビ畑などで働き、一部は南の島の熱帯雨林で道なき、畑なき大地を斧一本で切り拓いていること。この多くが福岡、広島、山口県の出身で浄土真宗の信者が大半であったことなどをハワイからの帰国者などに伝え聞きました。使命感にかられて明治22年、未開の地同然のマウイ島、ハワイ島を探訪。葬送の儀なく果てた方々の前で供養。その日の暮らしがやっとの人たちのために説教、布教活動につとめました。

 この働きがきっかけとなり、現在では蒼龍が日系移民に呼びかけて建立したホノルル市とヒロ地区の浄土真宗をはじめとした寺院は36寺も存在しています。そして、この大事業をやり遂げた蒼龍の活動を物心両面で支援し続けたのが小今井翁とされています。豊前とハワイをつなぐ新たな歴史を知ることができました。

 

市長の部屋 2月 

「行方不明事案から学ぶ」

 年明け間もない4日午後、市内に住む高齢の女性が自宅を出たまま行方不明になるという事案が発生しました。市内南部の一角にある自宅から、寒さが少し緩んだ昼下がり、普段着のままサンダル履きで出かけられたそうです。いなくなったのに気付かれたご主人が後を追いかけましたが、探し出せませんでした。携帯電話を持たれていたので、連絡はつくはずでした。

 ところが、女性は帰宅せず、家族は、近くの人たちの力を借りながら探しましたが見つかりません。市役所に相談し、警察に出向き、消防団、地域のみなさんの応援を得て探しましたが見つからず、冬の陽はだんだん陰るばかり。

 市役所から防災無線で市内に「事案の発生と捜索の協力」を呼び掛けたのは午後4時 分。正月休みの虚を突かれてしまいました。市と消防本部で捜索本部を立ち上げたのが午後5時 分。ほぼ同時に、警察、消防はもちろん、地元の区長会の先導で住民のみなさん、市消防団など総動員体制で市内南部、中央部の田畑、ため池回り、水路、個人宅の庭先などをくまなく探しましたが発見できていません。元気におられることを祈るばかりです。

 振り返りますと、初日は深夜まで警察犬を導入、翌5日は県警ヘリによる上空からの捜索。6日の冷たい雨空のもとも濡れながらの必死の捜索は続けられ、72時間という生存可能性の高い7日まで、多くのみなさんが尽力くださいました。この間、ため池の水を抜く決断もしていただきました。市長として感謝申し上げます。有難うございました。

 高齢化が進展する中、この種の事案は、これからも発生することが予想されます。どのようにしたら、再発をへらせるか。もし起きたら、初期対応の見直すところは何なのか。「休日の市役所の危機管理の在り方」「現在の防災無線に代わる周知手法」「警察犬の出動要請時期」「行方不明者が携帯電話などに機能されているGPS(人工衛星からの電波で直径約30mまで位置確認できるシステム)の所持」など多くの課題が見えてきました。今後、さらにみなさんの知恵を借りながら「市民の生命、財産を守る」使命をはたすべく努めてまいる所存です。

 行方不明の方を探す市と消防の対策本部は広域圏消防本部に設置しています。これまでの捜索活動、ため池の水抜きなどの成果は 日時点で出ていません。

 何か情報がありましたら市か消防本部までお寄せください。

 

市長の部屋 平成27年1月 

新年のご挨拶  ~謹んで新年のお慶びを申し上げます~

 明けましておめでとうございます。豊前市民の皆様、ふるさと豊前に帰省されている皆様には、新年をお健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。

 今年は豊前市が市制60周年という記念すべき年。築上郡の九町村が合併して市制が施行されて、人間でいえば還暦の大きな節目となります。この間、多くの先人の皆様が守り育てていただいた豊前の里を、さらに良くしていくために市長として頑張っていく覚悟です。「遊・食・自然の里」という市の目指すべき方向に立ち返って、市議会や市民の皆様とともに協働で市政執行に努めてまいります。

 まず、60周年の記念行事として春に記念式典を計画しており、これまで市政発展にご尽力いただいた方々に感謝の意を表したいと考えています。最大の記念行事に、お父上が豊前市出身で、白人以外で初めて米国の州知事に就任されたジョージ・アリヨシ元ハワイ州知事を豊前市にお迎えして記念講演をしていただく予定です。

 今年、90歳となられるアリヨシ元州知事ですが、極めてご健康で日本語も流暢。「ぜひ、豊前市の子供たちに話しかけたい」とのご希望も頂いています。「おかげさまで」という自分史を日米両国語で出版されており、どんな講話となるのか楽しみです。

 さて、市政のなかでは医療、介護、福祉の分野できめ細かい行政サービスが求められています。市長就任以来掲げてまいりました「生涯現役社会づくり」は、新年度から健康長寿に近づくための施策として「口腔ケア」を国の補助事業に乗せてスタートさせる予定です。在宅の高齢者を対象とする事業ですが、ここから市民全体に広がるように努めます。歯をつよく、口の中を清潔に保つことで食道や胃腸、気管や肺を病原菌から守り、さらに血液を汚さないことで疾病予防、健康増進につなげるねらいです。そのために情報の整理、発信の司令塔を市役所に置きたいと考えています。

 次に、中学生までの医療費支援が新年度から始まります。安心して子育てできる環境整備にさらに努めていく所存です。併せて病気を早期発見、早期治療するために健康マイレージ事業に力を入れてガン検診、歯科検診などの受診率向上を目指します。高齢者のみなさんに自宅にこもらず、地域社会で交歓、交流してもらえるようにこれまでの事業に加え、「歌唱健康法」などを取り入れ充実していければと考えています。

 そしていよいよ、高速自動車道の時代を迎えます。東九州自動車道は昨年末、北九州方面への窓口となる椎田南インターチェンジが供用開始となり、平成26年度末を目標に大分・別府方面へ豊前インターチェンジが動き出します。北九州市が30分間余、福岡都市圏が1時間余の圏内に、さらに別府までが40分間余、宮崎までが3時間半余の交流圏となります。豊前市にとって、この広域交流時代をどのように迎え撃つのか。大きなテーマです。

 そのためには今まで足をのばせていただけなかった地域のみなさんに、魅力ある地域となる。これにはまず、豊前海の幸を見て、味わっていただき、豊前の海を学んでもらう「六次産業化・水産振興施設」の建設が必要で、新年度内の完成を目指します。

 さらに、八屋漁港先の海で実証しています石炭灰を固めたハイビーズによる海の環境浄化事業では、撒いたアサリの稚貝が順調に生育しています。新しい技術で海の環境を浄化し、生産力を高めていくことが実証できれば、豊前の海が変わります。漁場環境がよくなる、ハイビーズ事業の可能性をさらに追求していきます。

 一方、山では豊前市南部を中心に展開するグリーンツーリズム・民泊と森林セラピー基地の取組を進めます。特に森林セラピーは都市環境での受けるストレスを癒してくれることが科学的に実証されています。民泊での農山村住民との交流。セラピーガイドのみなさんが語る森の環境、食、歴史と、ウォーキングを楽しみながら、心身ともに健康になる豊前を前面に押し出します。市内全域が認定されたことを活かして、コンクリートなどの舗装をしていない道路を走るトレイルランニングなどのコースも考えていきたいと思います。

 漸減する人口対策に注力します。「増やす」という目標に加え「これ以上減らさない維持」「来訪客など交流人口の増」。そしてメールアドレスなどで結ばれる「在外市民」を増やす努力をいたします。

 これまで空き家バンク事業で取り組んできました空き家対策を充実させます。UJIターンの住民だけでなく、海外からのお客さまを含め長期に安価で滞在できるロングステイな「住民」を呼び込むためにも空き家を活かしたいと思っています。

 環境面ではゴミを減少し、資源に変える資源循環型社会を目指します。「もったいない」というハートを多くの市民が日常に共有し、持続可能な地域を次世代に繋ぎたいものです。

 教育面では、国の教育改革のなかで小中学校の一貫教育が新たな制度として認められる時代です。小規模な小中学校を複数抱える豊前市として、文武両面で個性ある教育ができる学校づくりを教育委員会改革に合わせて取り組んでいきます。

 豊前市は発足当時の人口(約3万8千人)からみれば1万人以上減少しましたが、様々な人口増対策を実施しながらまた、本年をハワイ州との交流元年と位置づけて活力あるまちづくりに挑んでいきたいと思います。

ことしは、穏やかでありながら芯の強い羊の年。豊前市も羊にあやかり、しっかりとした足取りでこの一年を進んでいきますので、市民のみな様のご理解、ご協力をお願い申し上げます。

 

市長の部屋 12月

 まち、ひと、しごと、の分野にそれぞれ連動した施策を、地方のもつ独自の歴史や風土、人材を資源として活かしながら、働く場、活躍の場を見い出し、つくりあげる。そうすることによって人口が集中する都市から地方へ人口移動を促す、国が掲げる地方創生。

 つまり、地方が自ら知恵を絞って各種の目標を定め、人口増(最低限、現状維持を含む)という目的を達成するのです。市役所が躍起になって取り組むだけではできない大きなテーマです。議会や市民のみなさんとともに力と知恵を合わせて進まなければなりません。

 豊前市はこの地方創生を実践していかねばならない地方のひとつです。市民の数が減った原因はまず、産まれる子供たちが少なく、育った若い人たちが市外に出ていくこと。結婚適齢期と言われる年代の男女が独身、非婚でいること。その結果、少子高齢化という言葉に象徴される人口減少地域となっています。

 一方で、高齢化は上昇傾向です。これは何も卑下することではなく、世界トップの長寿社会実現と、喜び誇るべきことです。健康寿命をのばし、元気に地域で行動できる「生涯現役社会づくり」が重要です。市政の大きな目標です。

 少子化、人口減に歯止めをかける施策は、これまでも取り組んできました。未婚の男女に出会いの場を提供、背中をひと押しするお世話人制度創設などの婚活事業。産まれた子供を育てやすくする出産祝い金、医療費支援(12月議会に中学生までの無料化を議案提出予定)などやっています。

 加えて、人口減少のもととなった市外移住。出て行かれた方、豊前市に縁のある方などに市の情報を定期的にお送りして、市の応援団になっていただく「在外市民課制度」を創設しました。来年の年賀状に、申し込みが簡単にできるQRコードを印刷した5千枚を市役所で販売。みなさんの親戚知人に送っていただき在外市民登録していただければ、期待しています。

 もちろん、市外にいても「市民のように市の一員並みに市を支えよう」と志していただくには、市の魅力をもっともっと増やさなければなりません。神楽、祇園などの伝統文化、生態系の乱れが生じない環境づくり、治安や防災など。人口増という目的のために、このような目標設定が大切です。

 みなさんの周りに目標を見つけ、みんなで目標達成を実現する地方創生にチャレンジです。

 

市長の部屋 11月

 江戸時代に作られた求菩提山絵図にある茶園と製茶の場であったとされる茶屋跡を訪ねました。「茶木探し」を目的にした確認調査は今回が初めてではないかと思われます。

 この日、求菩提山に登ってまず、確認できたのは明治まで栽培されていた山伏の坊(住家)に植えられた茶園です。昭和期まで山伏の末裔の方々が栽培していた小さな茶園ですが、近年は放棄され樹木は細く、伸び放題。さらに周りの樹木が生長して光を遮り、荒れ果てた状態です。

 さらに山中に入り、大きく育った杉の林間にあるはずの茶園跡ですが、当時の茶園は、図によると一本立てで、茶園は茶木の林だったようです。

 しかし、その面影はすでになく、うっそうとした林となっていました。その木と木の間に茶葉にみえる葉をつけた木をところどころに見つけることができました。もしかしたらの「発見」です。

 貴重な茶木の可能性もありますが、日当たりのない斜面で、その姿はとても茶木ではなく、やせ細ったひょろひょろの、貧疎に見える木。しかも葉をシカに食いちぎられ枯れかかったものも。すぐにでもシカの食害防止措置を講じ、さらに文化庁などの支援を仰ぎ、生息分布と本数などを本格的に調査しなければなりません。

 ちょうど11月1日は豊前市の森林セラピー基地のグランドオープン。山の癒しの力に日本原種の可能性のある茶木からとれたお茶が加わることになるとセラピー基地の魅力倍増です。大切に守っていかねばなりません。盗掘などできないように備えなければなりません。

● お詫びと訂正 ●

 先月号で、「JA京築はこの秋に豊前市など管内で収穫される夢つくしの一等価格を1俵(60キログラム)11,400円台という買い取りの目安価格を公表しました。」という掲載をしました。

この掲載記事について、JA福岡京築、福岡県農政連豊前支部から「JAが示した価格はあくまで『概算金』(内金)であり、JAに販売委託されたお米が全て販売終了した段階で最終精算を行う仕組みになっており、農家に『精算金』(追加払い)があります。今回の『11,400円台という買い取りの目安価格』という表現は適切ではないので訂正を行ってほしい」との指摘と申し入れを受けました。

 また、「昨年度の米が120万トン(全国7月)ほど余っており」とある部分について「余っているのではなく、民間在庫(7月、8月でこれから消費分が減少します)として流通している」という指摘です。

 説明不足のため、関係する皆さんに多大なご迷惑をおかけしましたことを謹んでお詫びし、上記のように訂正させていただきます。 

 

市長の部屋 10月

 米価が暴落。JA京築はこの秋に豊前市など管内で収穫される夢つくしの一等米の価格を1俵(60キログラム)11400円台という買い取りの目安価格を公表しました。昨年が13482円でしたから2000円ほども安くなっています。

 全国的に見ても、日本で最も高価なブランド米である新潟県魚沼産のコシヒカリが昨年よりやはり2500円下げて14200円止まり。他の産地も軒並み下落しています。この傾向は来年以降も続くと予測されます。

 これは、昨年産の米が120万トン(全国7月)ほど余っており、この行き先が決まってないのが大きな要因とみられています。米余りに加えて、止まらない少子高齢化の中、お米離れが加速しているからかもしれません。

 このままでは、ますます農業経営が厳しくなります。この夏の長雨、豪雨、冷夏などで分かるように、あてにならない天候に生長、収穫が左右される農業です。さらに、農業資材、機材の経費は高騰し、高値で居座ったままです。流した汗と、絞った知恵の分、喜びや楽しみがある農業でなければ、豊前市のような土地利用型という米、麦、大豆など主体の農業、農村は維持していけません。

 では、このまま手をこまねいていいのか。豊前市として、国や県に「何とかしてほしい」と叫び続けているだけでいいのか。悩ましい限りです。第二次安部改造内閣に「地方創生大臣」が誕生しようと、自ら前に向かって道を切り拓こうとする気力のない自助、共助の意欲のない自治体は生き残っていけないでしょう。

 いま、豊前市が加入している豊前広域環境施設組合は、し尿処理の施設をこれまで通りの高度な科学処理とするのか。それとも築上町や大木町で成功しているし尿を発酵させてつくる液体肥料。この安全性と衛生面、効能と効力を農林水産大臣が認めた液肥を農地に還元する方策を選ぶのか、岐路に立っています。(築上町では液肥の要望が多く、製造施設を倍増する計画ですし、大木町では施設に接した道の駅のレストランが、液肥利用の美味な野菜などをつかった料理で大賑わいです。不思議なくらい完璧に屋外で臭いもないのが驚きです。)

 農業用資材が高騰したまま、農業経営を圧迫している農業現場の実態。この状態が続けば、農家の後継者、担い手不足に追い討ちをかけかねません。農業、農村の危機です。経費の中で大きなウェイトを占める化学肥料代がほぼ削減でき、有機質の液肥で栄養バランスのとれた、おいしい、安全な農産物がとれる循環型農業にすれば、多くの問題が解決できる可能性があります。

 学校給食で子供たちに「地域に根差した食育」と「ごみを資源にする循環型社会」の大切さを学んでもらうべきです。地域の後継者となる子供たちに持続可能な循環型社会をバトンタッチしなければなりません。農業関係者だけでなく、多くの市民の皆様にまず、築上町、大木町の成功例を見てもらう機会をつくり、理解の輪を広げたいと考えています。 

 

市長の部屋 9月  

 総領事館というのをご存知でしょうか。海外にあって大使館に次ぐ外交の拠点といえば分りやすいかもしれません。現在、米国にはワシントンDCに大使館があり、ニューヨーク、ボストンなど14市に総領事館が、ポートランドなど3市に領事事務所が設置されています。

 総領事館のひとつ在ホノルル総領事館の重枝豊英総領事が今月6,7日に豊前市を訪問されました。目的はハワイと地方都市との国際交流促進と元ハワイ州知事ジョージ・アリヨシ家の墓参でした。

 在ホノルル総領事といえば、毎年のように天皇陛下のハワイ訪問を直接お世話されるほか、国内外からハワイに来られる要人を迎え入れる日本政府の代表です。昨年は一年簡に述べ160回余の歓迎の席を受け持たれたとのこと。土曜日、日曜日を除けば5日のうち3日間、お客様対応されている超多忙な方です。

 その重枝総領事がこの夏休みに、戦前や戦後の海外移住推進時代にハワイに移住した人が多かった中国、九州地域の自治体訪問を計画。そのひとつに豊前市を選んでいただいたのです。

 6日の夜に卜仙の郷に宿泊。“特産”となっているシカ肉、豊前海のハモ料理などでおもてなし。温泉にゆっくりつかっていただき、翌朝は重枝総領事の日課である早朝ランニング。「この山道は修験の郷らしい魅力的なコース。景観も癒されますし、素晴らしい」と喜んでいただきました。

 7日は、市役所での会見で、「豊前市は神楽などの伝統文化、おいしい食材がたくさんあり、ぜひハワイのみなさんに紹介したい」との前向きな発言。このあと、アリヨシ元州知事のお父さんの出身地沓川地区にある有吉家の墓地に行かれました。

 豊前市長としてこの春、ハワイを訪問したとき、総領事館でアリヨシ元州知事夫妻との初めての出会いは鮮明に覚えています。「88歳でこんなにお元気とは」と、強い印象を受け、「豊前市のみなさん、ハワイで待っています。いらっしゃい。」とのアリヨシ元州知事の声も耳底に残っています。

 この出会いの機会をつくっていただいたお一人が重枝総領事。豊前市訪問の目的である今後のハワイとの交流事業では子供たち相互往来が大切です。私案ですが、英語教育に結び付いた交流ができれば、と考えています。もちろん、豊前市から特産品の売り込みも進めなければなりません。重枝総領事には6日の夜、道の駅おこしかけの協力で豊前市の特産品を紹介しています。いくつでもハワイにつなげたいものです。

 国際交流で地域おこし、というのはある程度条件が整わなければ困難です。豊前市には幸にもハワイ―アリヨシ元州知事―重枝総領事というパイプができました。このパイプを大きく、太く育てていきたいものです。

 

09

 


◎ 市政懇談会報告 ◎

7月8日から19日にわたり、市内5か所で市政懇談会を開催し、延べ371名の市民の方が参加されました。

この市政懇談会は、豊前市を取り巻く厳しい行財政状況やこれからのまちづくりについて市長より市民の皆様へ直接ご説明し、ご理解をいただくとともに、地域の皆様と直接対話を行い、その意見を市政に反映させることを目的に開催しました。

懇談会では、後藤市長から豊前市の防災に対する取り組みや生涯現役社会・循環型社会づくり、そして子供たちの教育についての取組みなど、今までの実績や今後の方針の説明が行われました。

その後の意見交換会では、高校跡地の活用や市民会館の建設、市職員の接遇教育、空き家問題、人口減少や高齢化対策などについての様々な意見をいただきました。

皆様からいただいた意見は十分に精査を行い、今後の市政に役立てていきたいと考えています。

 

市政懇談会

 


 

市長の部屋 8月 

 豊前市・能徳工業団地の突先にある豊前市外二町清掃施設組合が運営する処理施設では豊前市と吉富、上毛両町から排出されるゴミをリサイクル、リユースできるものと焼却すべきものとに分けて処分しています。ここのリサイクルセンターでは多くのみなさんが手作業で汗を流してゴミを資源に変えていただいています。

 ビン、スチール缶、アルミ缶、ペットボトル、新聞、雑誌、プラスチック類など資源に回せるのは家庭から出てくる前に市民の皆様が13分類という細かな分別作業に取り組んでいただいているから。皆様に感謝しています。

 ただ、燃やせるものの中に、もう少し考えなければならないものが目につくようになりました。ひとつは住宅地周辺に生えている草や庭木の剪定枝です。草では河川、道路沿いから切り払われる大量の業者持ち込みも別にあります。

こうした草や剪定枝は以前、燃やせていましたが、数年前のダイオキシン問題以来、勝手に燃やせなくなりました。このため、初夏から秋までは草類で焼却炉が満杯になり、焼却不能状態になることもあります。こんな草や剪定枝は各自でたい肥にして土に還元する仕組みを考えなければなりません。

 もうひとつは、家庭などから出される生ごみも、焼却していますが水分が平均50%で、油をかけなければ焼けません。ゴミ処理に貴重な石油という地下資源を使っています。焼却は使い捨てであり、灰の処分というやっかいな課題も残ります。生ごみを焼却せずに発酵処理して肥料に変えている自治体もあります。「ゴミを資源に」です。

 この組合に隣接した場所に、もう一つ豊前広域環境施設組合が運営する施設があり、豊前市と築上(築城地区)、みやこ両町のし尿を処理しています。高度な科学処理施設を駆使してし尿を飲めるほどのきれいな水と異物に分離。水は海に放流、異物は一部を乾燥肥料にしています。高額の維持費がかかっています。

 このし尿を隣の築上町の旧椎田地区では20年前から、発酵させて悪臭をとり、大腸菌やハエの卵などは55度前後の発酵熱で死滅させて衛生上問題のない液肥にかえて農地にもどしています。化学肥料の価格が高止まりしているなか、農家のみなさんが喜んでいると聞いています。処理費用は田畑に散布するサービスを含んでも組合施設より格安です。

 豊前市もこうした先進地を見習い、ゴミ、し尿を資源に変えていく努力をもっとしなければ、と考えています。いまの時代に我われが資源を食いつぶすのではなく、リサイクルやリユースして子供や孫の時代に資源をつなげる循環型の持続可能な社会を築いていかねばならないと思っています。

 

 

市長の部屋 7月

「消滅可能性都市」からの脱却を

 日本創生会議という団体が2040年に消えていく危険性のある全国の896市町村を「消滅可能性都市」と名付けて発表しました。20歳から39歳までの若い女性が市町村から減少、流出する現状傾向が続けば、四半世紀後に自治体がなくなってしまう、ということです。

 20~39女性の減少、流出の率が50%を超えたところが消滅可能性の分岐点。豊前市の可能性は今のところ45.8%。896市町村にはかろうじて入っていませんが、非常に危険な状況です。何とかしなければという危機感をみなさんで共有しなければならないときです。

 国も人口の自然減の時代に入り、子育て支援などの施策に力を入れていますが、人口維持さえ難しい状態です。国の政策だけでなく、地方の立場でどのように取り組むべきか、考えて行動に移さなければなりません。

 少子化対策の大きな柱である子育て支援。働くお母さんたちを支える保育所の受け入れ態勢が整っていないため、大都市で待機児童の問題がいまだ収束していません。保育所の整備、保育士などの増強が進められています。「大変だ」という声も聞こえてきますが、豊前市など少子高齢化の最先端地域からみれば、「うらやましい限り」です。

 豊前市では子育て若い夫婦への支援はもちろん大事ですが、子供を産んでくれるカップルの誕生も大きな課題です。婚活事業です。子供を産み、育ててくれる夫婦、家庭の増加策です。今回ホタルの季節に夕食会とホタルスポットに行く「婚活、ホタル観賞ツアー」を実施しました。カップル誕生に期待しています。

 結婚、子づくりは個人の問題だから、周辺でとやかく言うべきではない、という風潮の中で「仲人」という言葉さえ死後になりつつあります。あえて行政がおせっかいを焼く、焼かざるを得ない状態になっていると認識しています。

 こうした事業は、行政だけでなく、商工会議所、市区長会や市老人クラブ連合会など、地域のみなさんの力をお借りして取り組まねば、と考えています。近いうちに仲人役の「お世話人さん」の組織も立ち上げます。若い世代の定住、子どもは地域の宝です。力を期してください。

 「消滅可能性」都市とその周辺都市での「消滅」は消滅可能性都市だけの問題ではなくなります。消滅都市が増え、消えてしまえば、若い世代を大都市に送り出してきた地方の力がなくなり、いずれ人口再生産力の劣る大都市も消滅の道を歩むことになるからです。日本の存亡につながります。まず、みんなの力でふるさと豊前を消滅の危機から守りましょう。

(子育ては苦労、苦難のほうが多いと思いますが、「苦あれば楽あり」「苦難は幸福の門」でもあります。市では、市民のみなさんが、「子育てから学んでよかったこと」、「子育てで知った喜び、感動」の物語を募集します。ぜひ、ご体験をお寄せください。

豊前市役所 総合政策課 総合政策係 seisaku@city.buzen.lg.jp

 

 

市長の部屋 6月

 今年度の機構改革・人事異動にともない5月の連休期間中、市役所の1階と3階で大きな机移動が行われました。40年ぶりといわれる大改造。ほとんどの職員が作業着姿で汗をかきながら机やいすを運び、溜りにたまったゴミを搬出しました。
3階にあった教育委員会が1階に。市民の皆さまが転入、転出などの手続きの時に1階の市民健康課で届出をした後、3階に学校関係手続き、と大変でしたが、これから1階フロアで片付きます。市議会からの要請でもありました「ワンストップサービス化」が実現しました。
もうひとつ、市役所外にありました包括介護支援センターが1階の福祉課前に。市民健康課と3組織がやはり同じ1階にそろい、これは私の掲げる「生涯現役社会づくり」のなかで求められる高齢者支援関係の利便性と機動性が高まることにつながります。
この「生涯現役社会づくり」には大きく2つの目標があります。高齢になっても自宅に引きこもらずに外に出て活動する。地域の皆さんとのふれあいの時間を持ってもらうことと、外出ができる健康保持、増進を進めるということです。
 外出するのは面倒だ、と家でテレビの子守をしているうちに1日が終わる、なんてことはありませんか。こんなことを繰り返していては精神的にも、肉体的にも健康にはなりません。屋外に出て、自然に抱かれ、他の人と語り合い、活動を共にする。こころを躍らせる時間をもつ。その舞台づくりも大きな行政課題です。市がやっている「いきいきサロン」「ころばん塾」「健康サポート塾」などなど。「カラオケ」「コーラス」などの活動もおすすめです。
 もうひとつの健康の保持、増進。このほど、みなさんのお手元に届けられたと思いますが、ガン検診など各種の検診が大切です。早期発見、早期治療が、健康維持のために大事なキーワードとなっています。市では、このようながん検診、特定健診、歯科検診などを多く受診された方に「ご褒美」(最高1万円程度の健康グッズなど)をさしあげる新事業として「ぶぜんいきいき健康マイレージ事業」を始めました。多くの市民の皆さんに参加していただきますようお願いいたします。
 さらに、力を入れていこうと考えていますのが、歯やのどの健康増進につながる口腔ケア事業です。その最先端で活躍されている九州歯科大学の安細(あんざい)敏弘教授がこのほど豊前築上歯科医師会の筒井修一会長とともに市長室にこられ、これから豊前市を舞台に新事業を展開する計画を打ち合わせました。
 (最初の機構改革で埋もれていた資料の中から、大変なものが発見されました。豊前が生んだ一般社団法人「倫理研究所」の創始者丸山敏雄氏の履歴書です。旧八屋小学校教諭から広島大学に進むときに残したと推測されます。お宝です。)

 

 

市長の部屋 5月

 米国・ハワイ州のホノルル市で4月9,10日、かつて州知事をされたジョージ・良一・アリヨシ氏にお会いしました。アリヨシ元知事は、お父さんが豊前市出身。福岡県、豊前市に対する思いが強く「わがルーツは豊前」と明言されます。
 アリヨシ元知事は昭和49年(1974年)から昭和61年まで3期12年間在任。福岡県とハワイ州との間で友好提携(姉妹都市)調印しています。この間、福岡県を公式訪問、豊前市にも先祖のお墓参りなどで来訪。平成24年にも県主催の国際交流大会に出席されています。
 アリヨシ元知事とは、在ホノルル日本総領事館で9日に開かれた東日本大震災の被災地である宮城県・女川町の女川特産のサンマを食べるパーティーに同席。180センチ超の長身で背筋が伸び、88歳のご高齢とはとても思えぬ弁舌で200人を超す出席者をまえに「復興支援をこれからも」と挨拶。その姿に大きな拍手と尊敬のまなざしが向けられました。
 翌10日は、ホノルルの中心街にある個人事務所で対談。アリヨシ元知事は「お父さんが若いころ『やはたやま』の四股名で相撲を取っていた」のちに「海外航路の船員となり、寄港したハワイに住みつき、結婚」。中学2年生のときお父さんに「人を助ける弁護士になる」と話した。お父さんから「人の恩を忘れず、責任と義理を大切に」「丸裸になっても応援する」と。戦争に行ったときには「恥ずかしくない行動を」と。
 州知事に立候補するときに「白人、米本土の人以外ではじめて、ハワイ生まれの君がその最初の人となれ、と薦められた」。なってからは「累積赤字を、人減らしせずに黒字化」「政策面では州の全体のことを考えて、一時的には嫌われても勇気をもって決断した」。
 天皇陛下との面会でお母さんが、天皇陛下から握手を求められても下を向いたままで「もったいない」と語ったこと。豊前市訪問時に「実家近くで道に集まったひとたちにミカン箱の上にのって挨拶」した思い出など約1時間半語ってくれました。最後に「豊前市の子供たちの英語教育、物産振興に力を貸してください」とのお願いに「お手伝いしましょう」。
 アリヨシ元知事は、これまでの体験を昨年、東京で講演。同様の手記を「おかげさまで」という題名の本にまとめて出版されています。
 10日には、在ハワイの日系人19万人余が聞いているKZOOラジオ放送に、重枝豊英総領事と出演。豊前市のPRを30分間してきました。

 

 

市長の部屋 4月

平成26年度が幕開けしました。昨年4月20日に、みな様のお蔭で第5代豊前市長を拝命し、ちょうど1年。議会人から執行部に転向して戸惑うことが多く、周囲のみな様にご心配をかけてまいりましたが、なんとか今日まで走り続けることができ、感謝しています。
 これから市長としてどんな豊前市になるべくカジ取りしていくのか。磯永優二議長をはじめとする市議会のみなさんの叱咤激励を受けながら、後小路一雄副市長、戸田章教育長ら執行部の皆さんと力を合わせながら市政運営に取り組んでまいります。
 これからの豊前づくり構想、実施事業などについて、広報豊前に新たにこの「市長の部屋」を設けて市民のみな様に「市長の言葉」でお伝えします。ご期待に応えるべく頑張りますのでお支えくださいますようお願いします。
 今回は、去る3月市議会で承認いただきました主な新規事業を紹介いたします。とくに、就任以来、訴えてまいりました「生涯現役社会づくり」について、簡単に説明します。
 人口2万7千人余で65歳以上の人口比率が30%を超した豊前市。高齢化は誇るべきなのに、世間では「先行き暗い」印象です。じつは裏にある少子化が問題なのです。もちろん、病気で長生きではなく健康長寿でなくてはなりません。生涯現役でいるために健康の保持増進は不可欠です。
 そこで市として新規事業の中に、ガン検診、特定健診など早期発見、早期治療につながる検診を受けた皆さんにご褒美がもらえる「健康マイレージ事業」や認知症予防につながる「脳力いきいき事業」などを追加。これまでの「かむかむ教室」「生き活きエアロ塾」「ころばん塾」などとともにみな様の健康増進に尽くしていきます。さらに地元歯科医師会と協力して「口腔ケア事業」にも取り組んでいく予定です。これらの実施状況を分りやすくお伝えする生涯現役パンフレットを作成。できれば、生涯現役の模範とする生き方をしておられる市民の方を紹介する広報紙発行も検討していきます。これからをお楽しみにしてください。

 

 

新年のご挨拶

謹んで新年のお慶びを申し上げます

 輝かしい新年、明けましておめでとうございます。皆様には清々しい元旦を迎えられ、新たな気持ちでお過ごしのことと拝察いたします。

昨年四月に豊前市長を拝命し、持てる力を尽くしてこの八か月間駆け抜いてまいりました。この間、知らなかったこと、気づかなかったことなど多くを学び、豊前市のもっと伸ばすべき魅力、改善すべきところをどのように取り組んでいくのか、少し見えてきました。市議会や市民のみなさんの意見に耳を傾け、アドバイスをいただきながら市職員一丸となって課題解決のため尽力する覚悟です。念頭にあたり、その取り組むべき基本的な方針を述べさせていただきます。

   まず、就任当初から掲げている「生涯現役社会」の実現であります。元気で長生きできる健康長寿社会こそ、豊富な経験や知識をもつ高齢者のみなさんに地域の中でその能力を発揮していただく礎です。そのため健康維持と増進が肝要です。これまでに公民館などで健康づくりのためにエアロバイクを用いた教室などを開催していますが、加えて豊前築上歯科医師会の力を借りながら「口腔ケア」をもっと発展させ、指導者のみなさんとともに「歌唱健康法」を打ち出すなど多彩なメニューを研究しています。

   こうして健康で楽しめる趣味の時間を増やし、健康あってできるボランティア活動の仕組みづくりを進めます。高齢などのため災害発生時に自力で避難できない方々や、買い物弱者の方々に手を差し伸べる共助の仕組みも地域包括支援センターなどを拠点として整備できないか考えていきます。市内全域に自助、共助、公助の意識が浸透していくことを期待しています。

   つぎに地域経済の活性化です。来年には東九州自動車道の開通が見込まれます。地域の利便性向上で、災害の少ない豊前市への自動車関連製造工場など企業誘致と、受け皿となる工業団地の造成に努めます。また、大きな農政の転換となる減反政策の転換に対してどのように農家と農地、農村を守るのか、前向きに取り組まねばなりません。それに、豊富な海の幸を地域資源として活用すべきです。なかでも豊饒の海、豊前海の魚介類をどのようにアピールするのか。濃厚なうまみが自慢の豊前海一粒カキ、豊前本ガニ、ヨシエビにつづく海産資源の掘り起しと加工、販売。さらに魚の生態や漁法、漁場環境などを学び、食育の場にもなる海の六次産業化に取り組みます。一方、山の幸と魅力を活かした森林セラピー基地と農村民泊・グリーンツーリズムも地域と力を合わせて推進します。これらも東九州自動車道開通に併せた重要施策です。

   都市圏に向けた特産品の販路拡大と新商品の開発にも行動を起こしていきます。昨年、東京都新宿区で開催されました「農山村ふれあい市場」へ参加し、新宿の江戸時代の野菜である『内藤とうがらし』と豊前市の柚子を原料に柚子胡椒を披露しました。評判は上々で、併せてご紹介しました豊前の特産品を含め、新宿を中心にした東京圏での販路拡大に力を注ぎます。

   さて、政府は昨年末に成立した「国土強靭化基本法」に基づき防災、減災等に資することを基本理念にした施策を推進していくようです。豊前市でもその流れに遅れることなく将来予測される大規模災害に備え必要な施策が求められます。防波堤の役割を兼ねた高規格湾岸道路建設への道を探りながら、防災無線に加えて、災害時の情報伝達手段の再構築などは国の財政支援を活用して積極的に事業実現に努力します。

   ことしはNHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」が始まります。官兵衛、長政親子を迎え撃った宇都宮鎮房の宇都宮家が四百年にわたって統治した豊前の国、わが故郷豊前市をドラマの放映を機にどのように世に送り出すのか、観光の地として売り出せるか。そして子供たちに郷土の歴史をつたえるか、課題です。また、宇島の地名発祥の地となった旧宇島港を江戸時代後期に築いた奉行杉尾十右衛門について、この旧港が今年から半分埋め立てられるにあたって市民のみなさんに広く知ってもらおうと考えています。生誕二百年となる宇島繁栄の基礎を担った幕末、明治期の豪商小今井潤治翁についても改めて顕彰し、多くのみなさんにその存在と功績を伝えなければなりません。

   以上述べました施策はいずれも市政発展の推進力となる重要課題です。市民の皆様をはじめ市議会、関係機関などと十分に相談しながら、故郷豊前市をもっとよくするため全力で挑みます。ご指導をよろしくお願い申し上げまして年頭のご挨拶とします。

 

 

 

 

 

 

「豊前市勢要覧」はこちらからご覧になれます(PDF:47,585KB)

 

 

 

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